宅森昭吉に聞く『2021年の日本経済』

2021年1月4日

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2020年1月の「景気ウオッチャー調査」に初めて「新型コロナウイルス」という言葉が登場し、それ以降、感染拡大が景況感に大きな悪材料となっています。年末の風物詩にもその影響が色濃く表れ、新語・流行語大賞は「3密」、今年の漢字は「密」が選ばれました。ただし、景気循環的に見ると、景気の底堅さは維持されており、欧米ではワクチン接種も始まりました。21年は基本的には緩やかな景気回復基調が続くことが期待されます。

【ポイント1】「鬼滅の刃」のヒットやJRAの売得金増は景気面で明るい動き

■コロナに景気が翻弄される一方、「鬼滅の刃」が大ブームとなっています。週刊少年ジャンプに連載されていた漫画作品で、10月に公開された映画は12月13日には、公開59日間で最速で300億円を突破しました。原作コミックもシリーズ累計発行部数(電子版を含む)は1億2,000万部を突破しました。またJRA(日本中央競馬会)の20年の売得金累計金額も前年比で増加しており、これも景気面で明るい動きです。

【ポイント2】「今年の漢字」“密”は温かく前向きな面も

■2020年1月の「景気ウオッチャー調査」に初めて「新型コロナウイルス」という言葉が登場し、それ以降、感染拡大が景況感に大きな悪材料となっています。2020年の漢字は新型コロナ関連から選ばれ、「密」となりました。「密」は、新語・流行語大賞は「3密」だったため2冠を獲得した形です。「密」はコロナ関連の漢字の中でも、予防策として語られることが多く、コロナ禍の「禍」などと比べ、「親密」などの使われ方から見て、どちらかと言えば温かく前向きな面もあります。21年はコロナを克服し、オリンピックが予定通り開催され、今年の漢字が「金」などの明るいものになることを期待します。

【今後の展開】コロナに翻弄されるも、『2021年の日本経済』は底堅い

■オールジャパンのエコノミストのコンセンサス調査である「ESPフォーキャスト調査」(12月調査)で、先行きの予測を見ると、10〜12月期は前期比年率3.4%で、21年1〜3月期から22年1〜3月期は前期比年率1〜2%台の増加で推移するというのが平均的な見方です。またESPフォーキャスト調査(11月の特別調査)における景気のリスクの問いに対し、ほとんどのフォーキャスターが指摘したのが「新型コロナの感染状況」でした。 

■『2021年の日本経済』は新型コロナ感染拡大を抑制しながら、緩やかな景気回復が続く見込みです。その要因としては、(1)輸出の回復による生産など経済活動の持ち直しが続くこと、(2)設備の過剰感が増している気配はないこと、(3)現状も先行きも雇用、製造業在庫に関して、過剰感が増しているという状況にはないこと、(4)政府の大型経済対策が取られること、(5)2021年中には新型コロナの治療薬の開発と合わせ、コロナ感染終息に向けた流れが見込まれること、などが挙げられます。

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