『街角景気』は最悪期脱し、3月の水準を回復

2020年6月9日

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「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手や小売店、メーカー、輸送業、広告代理店など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。5月の『街角景気』は、緊急事態宣言の解除を受けて現状判断指数(DI)、先行き判断指数(DI)ともに上昇に転じ、現状判断指数(DI)は首都圏で外出自粛要請が出された3月の水準を回復しました。

【ポイント1】現状判断DIは前月比7.6ポイント上昇で15.5

先行き判断DIも19.9ポイント上昇し36.5

■5月の『街角景気』によると、現状判断DI(季節調整値)は前月比7.6ポイント上昇し15.5と、統計開始以来最低となった先月から回復し、最悪期を脱したとみられます。ただ、同DIは依然として歴史的な低水準にあり、5月中の経済活動の再開がかなり限られていたことを示唆しています。項目別では家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てにわたって上昇しましたが、反発は大きくありませんでした。

■先行き判断DIも前月比19.9ポイント上昇し、36.5となりました。2月以降の落ち込みの8割程度を取り戻し景気先行き懸念が和らいでいることを示しました。項目別では家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てで上昇し、給付金の効果など、経済対策の影響への期待が伺えました。

【ポイント2】現状コメントは「コロナ・肺炎」が減少

先行きはポジティブな単語が上回る

■街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、ウォッチャーの現状判断に関するコメントにおける単語の使用数は、ネガティブな単語の使用比率がポジティブな単語を8カ月連続で上回ったもののその差は縮小しました。「コロナ・肺炎」が大きく減少し、「休業」の減少も目立ちましたが、不安にかかわる用語は依然高水準で推移しています。

■先行き判断でも不安にかかわる用語は依然高水準ですが、ポジティブな単語がネガティブな単語の使用比率を5カ月ぶりに上回りました。

(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な例として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後にある有益な情報を探ることができます。

【今後の展開】ウィズコロナの経済再開、感染再拡大に注意

■内閣府は『街角景気』について、「極めて厳しい状況にある中で、さらに悪化している」から「極めて厳しい状況にあるものの、悪化に歯止めがかかりつつある」に上方修正しました。先行きについては「厳しさが増すとみている」から「厳しさが続くものの、持ち直しへの期待がみられる」に変更されました。『街角景気』は厳しさの中に明るさがみえ始めましたが、引き続き感染再拡大に配慮した行動が求められます。

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