「リスクオン」は続くのか(吉川レポート)
2020年12月8日
1.リフレを意識した相場上昇
2.当面のリスクファクター
3.大局的には2021年の視界は悪くない
1.リフレを意識した相場上昇

■第3に欧州に続き日米でも感染が再拡大し、雇用やサービス関連の経済指標には陰りが出ているものの、製造業は総じて堅調を維持しています。ネットで購入できる「モノ」の消費が堅調であること、完全なロックダウンでなければ工場での生産活動は可能なことなどから、製造業の生産は増加を続けており、サプライチェーンを通じて国際貿易も活発化しています。このため、主要先進国の景気は減速しつつも、一定の安定感をキープしています。

2.当面のリスクファクター
■また、可能性は小さいですが、1月5日のジョージア州上院決選投票で2議席共に民主党が獲得した場合、上院も民主党多数になります。バイデン政権が穏健な政策路線をとることが確認されるまで金融市場の変動性が高まるケースに一応の留意が必要かもしれません。

3.大局的には2021年の視界は悪くない
■長期金利の上昇が緩やかに留まる中、世界経済が回復に向かうとすると、コロナ禍で積み上がったドル建てキャッシュ(それに近いMMFや預金)から、米国債券、米国株式、他の先進国株式、さらには新興国債券、株式など、資金シフトの範囲が広がるでしょう。為替市場では対新興国通貨を中心に緩やかにドル高の修正の継続が予想されます。コロナショックを受けた構造変化としてはデジタルトランスフォーメーションを軸に議論されてきましたが、より広範なテーマが意識され、資金の流れに影響する可能性も検討しておくべきだと考えています。


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