2020年11月分景気動向指数(速報値)

2021年1月8日

-先行CI前月差+2.3で6カ月連続上昇、一致CIは▲0.3と6カ月ぶり下降-
-一致CIによる基調判断は「下げ止まり」継続。先行DI・一致DIはともに100.0-

●11月分の景気動向指数・速報値では、先行CIが前月差+2.3と6カ月連続の上昇になった。速報値からデータが利用可能な9系列では、最終需要財在庫率指数、鉱工業生産財在庫率指数、新規求人数、新設住宅着工床面積、消費者態度指数、日経商品指数、マネーストック、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの全系列が前月差プラス寄与度になった。

●11月分の一致CIは前月差▲0.3と6カ月ぶりの下降になった。速報値からデータが利用可能な8系列では、投資財出荷指数、有効求人倍率、輸出数量指数の3系列が前月差プラス寄与度に、生産指数、鉱工業生産財出荷指数の2系列が前月差寄与度0.00、耐久消費財出荷指数、商業販売額指数・小売業、商業販売額指数・卸売業の3系列が前月差マイナス寄与度になった。

●一致CIの3カ月後方移動平均は前月差+2.50ポイント上昇し、5カ月連続の上昇になった。7カ月後方移動平均は前月差+1.42ポイント上昇し、2カ月連続の上昇になった。

●最近の、一致CIを使った景気の基調判断をみると、19年8月分~20年7月分は「悪化」の判断だったが、景気の基調判断は8月分で19年5月分~7月分以来13カ月ぶりの「下げ止まり」に上方修正された。9月分に続き前回10月分でも「下げ止まり」で据え置きになった。10月分の前月差は上昇したが、7カ月後方移動平均の前月差が小幅の上昇にとどまったからだ。今回11月分では、7カ月後方移動平均の前月差の振幅は大きく十分条件を満たしたが、一致CI前月差が下降になってしまった。

●「下げ止まり」から、事後的に判定される景気の谷が、それ以前の数か月にあった可能性が高いことを示す「上方への局面変化」に上方修正されるには、一致CI前月差が上昇、かつ一致CIの7カ月後方移動平均(前月差)の符号がプラスに変化し、プラス幅(1か月、2か月または3か月の累積)が1標準偏差分以上振幅目安の+0.76以上になることが必要だ。当面、7カ月後方移動平均の前月差は「上方への局面変化」の条件を満たすことになりそうで、一致CI前月差が+0.1でもプラスになりさえすれば基調判断が上方修正される。

●11月分の先行DIは100.0%と5カ月連続、景気判断の分岐点の50%を上回った。速報値からデータが利用可能な9系列中、最終需要財在庫率指数、鉱工業生産財在庫率指数、新規求人数、新設住宅着工床面積、消費者態度指数、日経商品指数、マネーストック、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの全系列がプラス符号になった。

●11月分の一致DIは100.0%と5カ月連続、景気判断の分岐点の50%を上回った。速報値からデータが利用可能な8系列中、生産指数、鉱工業生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、投資財出荷指数、商業販売額指数・小売業、商業販売額指数・卸売業、有効求人倍率、輸出数量指数の全系列がプラス符号になった。

●1月27日発表予定の11月分景気動向指数・改訂値では、先行CIに新たに実質機械受注(製造業)が加わる。機械受注の発表日は1月14日である。また在庫率関連データが1月18日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかが注目される。

●11月分景気動向指数・改訂値で、一致CIには所定外労働時間指数が新たに加わる。11月分速報値85.8で前月と同じ水準だった。確報値の発表日は1月26日で、27日発表の景気動向指数・改訂値では確報値が使われる。一致DIで、所定外労働時間指数はプラス符号で加わろう。一致DI11月分速報値は100.0なので、改定値も他の系列の符号が変わらなければ、100.0になろう。生産指数関連データが1月18日発表の確報値段階で、また商業動態統計関連データが1月15日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかが注目される。

●12月分の先行CIの採用系列で速報値からデータが利用可能な9系列中、現時点で数値が判明しているのは、消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列である。日経商品指数、東証株価指数の2系列が前月差プラス、消費者態度指数、中小企業売上げ見通しDIの2系列が前月差マイナスである。

●また、12月分の先行DIでは、数値が判明している消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列では、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの3系列がプラス符号に、消費者態度指数1系列がマイナス符号になることが判明している。11月分速報値段階の先行DIは33.3%以上88.9%以下になることが確定している。