2019年6月調査 日銀短観 予測

2019年6月18日

―大企業・製造業・業況判断DIは、+9程度と16年9月調査以来のひと桁を予測―
―米中貿易摩擦などの負の影響が感じられる内容に―
―非製造業・業況判断DIは大企業・中小企業ともプラス(「良い」超)を予測―

●6月調査日銀短観では、大企業・製造業の業況判断DIが+9程度と3月調査の+12から3ポイント程度悪化するとみた。16年9月調査の+6以来のひと桁のプラスになろう。米中貿易摩擦などの負の影響が感じられる内容であろう。但し、13年6月調査以降25期連続して「良い」超のプラスは維持するとみた。

●また、大企業・非製造業の業況判断DIは+20程度とこちらは3月調査の+21から1ポイント程度やや悪化するとみた。但し、非製造業は11年9月調査以降32期連続で「良い」超のプラスになろう。

●この予測は、日銀短観DIと連動性が高いことが知られているQUICK短観(6月調査)やロイター短観(6月調査)などを参考にした。

●6月17日に発表されたQUICK短観6月調査の調査期間は6月3日から6月12日である。製造業DIは3月調査と同じ+12となった。また、非製造業DIは3月調査の+35から2ポイント低下の+33となった。

●6月18日に発表されたロイター短観6月調査の調査期間は6月4日から6月13日である。6月調査400社ベースの製造業DIは3月調査の+10から4ポイント悪化し+6となった。一方、200社ベースの製造業の業況判断DIは3月調査の+8から4ポイント悪化の+4となった。

●また、ロイター短観6月調査400社ベースの非製造業DIは3月調査と同じ+22となった。また、200社ベースの非製造業の業況判断DIは3月調査の+29から5ポイント悪化の+24となった。

●なお、6月調査の大企業・製造業の業況判断DIが予測通り+9程度なら、3月調査の「先行き見通し」+8を1ポイント上回ることになる。事前の予想を上回り、思ったほどは景況感が下振れなかったことになる。また大企業・非製造業が予測通り+20程度なら、3月調査の「先行き見通し」と同じになる。非製造業では前回調査時の先行き予想通りということになろう。+20程度の水準であることは内需の底堅さを示唆する内容と言えよう。

●QUICK短観6月調査の製造業の9月までの「先行き見通し」は+16で6月実績の+12より4ポイント改善の予想、非製造業の9月までの「先行き見通し」は+26で6月実績の+33から7ポイントの悪化予想である。

●一方、ロイター短観6月調査の9月までの「先行き見通し」は、製造業・400社ベースで+11と6月実績の+6から5ポイント改善の見込み、製造業・200社ベースで+8と6月実績の+4から4ポイント改善の見込み、非製造業・400社ベースの9月までの「先行き見通し」は+21と、6月実績の+22から1ポイント悪化の見込み、非製造業・200社ベースの9月までの「先行き見通し」は+21と、6月実績の+24から3ポイント悪化予想である。

●日銀短観の大企業・業況判断DIの9月までの「先行き見通し」は、QUICK短観やロイター短観などを参考にして、製造業で6月実績比4ポイント改善の+13程度、非製造業は6月実績比2ポイントの悪化の+18程度と予測した。

●6月調査日銀短観の中小企業の業況判断DIは製造業が+1程度と3月調査の+6から5ポイント程度悪化すると予測した。非製造業は6月調査の+12から6ポイント程度悪化し+6程度になるとみた。この予測値は、景気ウォッチャー調査の企業動向関連の現状水準判断DIなどを参考にして予測した。

●なお、中小企業・非製造業の業況判断DIは13年12月調査で92年2月調査以来のプラスにようやく転じた後、14年12月調査を新しい調査対象企業(+1)でみると、この6月調査で23期連続マイナスではない状況が続くことになる。このマイナスではない状況の連続記録は、87年9月調査から92年6月調査の20期連続というバブル期につけた最長記録を3期上回ることになろう。雇用吸収力の大きい非製造業の業況判断DIの底堅さが、好調な雇用状況につながっていよう。

●参考データの景気ウォッチャー調査の企業動向関連の現状水準判断DI・季節調整値の最近の推移は製造業が3月調査42.3、4月調査46.4、5月調査42.2と景気判断分岐点の50をかなり下回る水準での推移が続いている。一方、非製造業は3月調査48.6、4月調査47.7、5月調査44.9となっている。景気ウォッチャー調査の動きからは、弱い製造業に比べ非製造業の相対的な底堅さが感じられる。なお、日銀短観は水準の調査なので、景気ウォッチャー調査の方向性の現状判断DIではなく、参考データの現状水準判断DIの方を重視した。

●日銀短観の中小企業・製造業の業況判断DIが+1程度と予測通りなら、3月調査の「先行き見通し」の▲2より3ポイント良かったことになる。事前の見通しほどは悪化しなかったことになろう。また中小企業・非製造業が+6程度と予測通りなら、3月調査の「先行き見通し」+5を1ポイント上回り、こちらも景況感が事前に思ったほど悪化しなかったことになろう。

●日銀短観の中小企業・業況判断DIの9月までの「先行き見通し」は、景気の先行き不透明さが依然強い中では慎重な回答が多くなるように思われる。製造業で6月実績比2ポイント悪化の▲1程度、非製造業は6月実績比5ポイント悪化の+1程度と予測した。中小企業・非製造業では先行きをいつも慎重にみるというクセも考慮した。

●2019年度の大企業・全産業の設備投資計画は前年度比+5.3%程度と予測した。3月調査の同+1.2%から伸び率を高めよう。他の統計の設備投資計画や、過去の修正パターンなどを参考にした。

●2019年度の中小企業・全産業の設備投資計画は前年度比▲9.3%程度と、3月調査の同▲14.9%から上方修正されると予測した。中小企業の設備投資計画は例年3月調査が弱く、その後は1年後の3月調査まで調査の度に改善していく傾向があることなどを参考にした。

<6月調査日銀短観・予測値>

1)大企業

           

           6月製造業DI                          +9

           6月非製造業DI                        +20

           9月製造業DI                         +13

           9月非製造業DI                        +18

2019年度設備投資計画(全産業)前年度比    +5.3%

2)中小企業

          

            

           6月製造業DI                         +1

           6月非製造業DI                        +6

           9月製造業DI                         ▲1

           9月非製造業DI                        +1

2019年度設備投資計画(全産業)前年度比    ▲9.3%