2019年6月分景気動向指数(速報値)

2019年8月6日

-先行CI前月差は▲1.6の下降、一致CI前月差は▲3.0の大幅下降-
-一致CI・3カ月後方移動平均の前月差は3カ月ぶり下降に-
-基調判断は「下げ止まり」で据え置き、7月分まで「下げ止まり」、その先は不透明-

●6月分の景気動向指数・速報値では、先行CIが前月差▲1.6と2カ月連続の下降になった。速報値からデータが利用可能な9系列では、新設住宅着工床面積、中小企業売上げ見通しDIの2系列が前月差プラス寄与に、最終需要財在庫率指数、鉱工業生産財在庫率指数、新規求人数、消費者態度指数、日経商品指数、マネーストック、東証株価指数の7系列が前月差マイナス寄与になった。

●6月分の一致CIは前月差▲3.0と3カ月ぶりの下降になった。速報値からデータが利用可能な、生産指数、鉱工業生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、投資財出荷指数、商業販売額指数・小売業、商業販売額指数・卸売業、有効求人倍率の7系列全てが前月差マイナス寄与になった。

●6月分の一致CIの指数水準は2015年=100として100.4になった。なお、直近のピークは17年12月分の105.3で、足元の水準はそれに比べると4.9ポイント低い。18年で最も高かった4月分の104.1に比べる3.7ポイント低い水準である。また、最近で最も低かった1月分の100.4に並んでしまった。

●一致CIの3カ月後方移動平均は前月差▲0.23ポイントと、3カ月ぶりの下降になった。7カ月後方移動平均は前月差▲0.27ポイント下降し、2カ月連続の下降になった。

●一致CIを使った景気の基調判断をみると、16年10月分でそれまでの「足踏みを示している」から「改善を示している」に上方修正された。その後16年11月分~18年8月分まで23カ月連続して同じ最高の基調判断で推移してきていたが、18年9月分~12月分と4カ月連続「足踏みを示している」となった。19年1月分では、「下方への局面変化」に下方修正された。2月分も同じ判断になった。3月分では景気後退の可能性が高いことを意味する「悪化」にさらに下方修正され、4月分でも「悪化」だったが、5月分で「景気後退の動きが下げ止まっている可能性が高いことを示す」意味を持つ「下げ止まり」に上方修正された。

●「下げ止まり」から「悪化」に再び下方修正されるには、「3カ月以上連続して3カ月後方移動平均が下降、かつ当月の前月差の符号がマイナスであること」が必要だ。このため、CIの前月差下降が続いたとしても「悪化」に下方修正されるのは、最悪のケースで一番早くて8月分(10月7日公表)になる。但し、6月分までの数字が変わらないとすると、6月分の下降幅が大きかったので、7・8月分の前月差が+1.4ずつでも、8月分で3カ月後方移動平均が3カ月連続下降となる。8月分の前月差が下降にならなければ、「悪化」への下方修正が回避されるが、そうなるかどうかは微妙な状況だ。

●「下げ止まり」から「上方へ局面変化」に上方修正されるには、一致CI前月差が上昇、かつ一致CIの7カ月後方移動平均の前月差がプラスに変化し、プラス幅(1カ月、2カ月または3カ月の累計)が振幅目安の+0.76以上になることが必要だ。過去の数字が変わらないことを前提に、仮に一致CI前月差7月分・8月分・9月分で各々+1.3ポイント上昇すると7カ月後方移動平均の3カ月の累計が振幅目安の+0.76を上回る+0.83になる。このケースだと、9月分(11月8日公表)の基調判断で「上方への局面変化」になることもありえる。

●7月分は3カ月連続「下げ止まり」になりそうだが、8月分以降の基調判断がどうなるかは不透明な状況だ。

●6月分の先行DIは11.1%と2カ月連続で景気判断の分岐点の50%割れになった。速報値からデータが利用可能な9系列中、新規求人数1系列がプラス符号、最終需要財在庫率指数、鉱工業生産財在庫率指数、新設住宅着工床面積、消費者態度指数、日経商品指数、マネーストック、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの8系列がマイナス符号になった。

●一方、6月分の一致DIは7.1%と3カ月ぶりに景気判断の分岐点の50%割れとなった。速報値からデータが利用可能な7系列中、投資財出荷指数1系列が保合いで、生産指数、鉱工業生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、商業販売額指数・小売業、商業販売額指数・卸売業、有効求人倍率の6系列がマイナス符号になった。

●8月26日発表予定の6月分景気動向指数・改定値では、先行CIに新たに実質機械受注(製造業)が加わる。機械受注の発表日は8月14日である。また在庫率関連データが8月15日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかが注目される。

●6月分景気動向指数・改定値では、一致CIは所定外労働時間指数が新たに加わる。6月分速報値の発表日は本日であった。8月23日発表の確報値が、8月26日発表予定の景気動向指数・6月分改定値では使用される。速報値と同じになれば、一致CIにとっては前月差▲0.42程度のマイナス寄与に働く、一方で一致DIでは新たに加わるプラス符号になる。他の系列の符号が変わらなければ、一致DIは速報値の7.1%から18.8%へ上方修正される。また、生産指数関連データなどが8月15日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかが注目される。

●7月分の先行CIの採用系列で速報値からデータが利用可能な9系列中、現時点で数値が判明しているのは、消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列である。このうち東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの2系列が前月差プラス寄与に、消費者態度指数、日経商品指数の2系列が前月差マイナス寄与になることが判明している。

●また、7月分の先行DIでは、数値が判明している消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列は、中小企業売上げ見通しDI1系列がプラス符号に、消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数の3系列がマイナス符号になることが判明している。7月分速報値段階の先行DIは11.1%以上66.7%以下になることが確定している。