2018年12月分景気動向指数(速報値)

2019年2月7日

-先行CI前月差▲1.2と4カ月連続下降、一致CI前月差▲0.6と2カ月連続下降-
-先行DI・22.2%景気分岐点50%割れ、一致DI・57.1%で3カ月連続50%超-
-一致CI、3カ月後方移動平均前月差3カ月連続上昇も前月差下降で判断「改善」にならず-

●12月分の景気動向指数・速報値では、先行CIが前月差▲1.2と4カ月連続の下降になった。今回、季節調整替えの影響で、新設住宅着工床面積と中小企業売上げ見通しDIの過去の数字が変わった。このため前月差ゼロだった10月分が▲0.1の下降に転じたため、2カ月連続の下降ではなく、4カ月連続の下降になった。

●12月分の一致CIは前月差▲0.6と2カ月連続の下降になった。「毎月勤労統計」の所定外労働時間の11月分までが遡及改訂された。速報値からデータが利用可能な生産指数、鉱工業生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、投資財出荷指数、商業販売額指数・小売業、商業販売額指数・卸売業、有効求人倍率の7系列中、生産指数、鉱工業生産財出荷指数、投資財出荷指数、商業販売額指数・小売業、商業販売額指数・卸売業、有効求人倍率の6系列が前月差マイナス寄与に、耐久消費財出荷指数1系列が前月差プラス寄与になった。

●内閣府によると、景気動向指数・11月分改訂値では、出所が 「毎月勤労統計」指標について、当面の対応として2012年1月分以降の再集計値と2011年12月分以前の既存の公表値を単純接続していたが、今回の12月分速報から12年1年間分のデータで算出したリンク係数を、11年12月以前の値に乗じる接続方法となったということだ。

●12月分の一致CIの指数水準は2015年=100として102.3になった。なお、直近のピークは17年12月分の105.1で、足元の水準は、2.8ポイント低い。10月分の104.6が18年では最も高い水準になった。

●一致CIの3カ月後方移動平均は前月差+0.30ポイントで、3カ月連続の上昇になった。夏場の自然災害などによるもたつきが解消されつつある感がする。一方、夏場の自然災害の影響が反映される7カ月後方移動平均は前月差▲0.15ポイントの下降で、2カ月連続の下降になった。

●一致CIを使った景気の基調判断をみると、16年10月分~18年8月分まで23カ月連続して「改善を示している」という最高の基調判断で推移してきていた。しかし、18年9月分で「足踏みを示している」へ24カ月ぶりに基調判断が下方修正された。

●景気動向指数の基調判断が「改善を示している」という最上位の景況判断に戻るには、3カ月以上連続して3カ月後方移動平均が上昇、かつ当月の前月差の符号がプラスであることが必要だ。「足踏み」になると「改善」に戻るのには時間がかかる。後者の条件は10~12月分で満たしたが、肝心の12月分の一致CI前月差が下降になってしまっては意味がない。

●1月以降に「改善」になることを期待するしかないが、今度は前月差が+3.2と大きく改善した10月分がはずれることの影響が大きく、3カ月連続の条件を満たすのには時間がかかることになる。仮に1月分で改善に戻るには現状で前月差+2.4程度が少なくとも必要だが、製造工業予測指数の前月比がマイナスという現状では実現は難しそうだ。

●景気拡張期間が戦後最長タイになるタイミングで「改善」に戻るチャンスを逃した景気動向指数の基調判断は、しばらく「足踏み」が続きそうだ。万一、先行きの採用系列が弱含み傾向になると、7カ月後方移動平均の前月差を使った判断から「下方への局面変化」になる可能性も皆無ではないが、その確率はまだ低いと言えそうだ。仮に1月分で改善に「下方への局面変化」になるには現状で前月差▲2.2程度が必要だ。

●今回12月分の先行DIは22.2%と2カ月ぶりに景気判断の分岐点の50%を下回った。一方、一致DIは57.1%と3カ月連続して景気判断の分岐点の50%を上回った。昔だったら、一時的落ち込みを脱して、景気拡張局面のシグナルが点灯したと言える。

●12月分景気動向指数・改定値では、先行CIに新たに実質機械受注(製造業)が加わる。機械受注の発表日は2月18日である。また在庫率関連データが2月15日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかが注目される。

●12月分景気動向指数・改定値では、一致CIは所定外労働時間指数が新たに加わる。速報値段階の所定外労働時間指数は2月8日に発表される。改定値で使用されるのは、2月22日発表の確報値だ。また、生産指数関連データなどが2月15日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかが注目される。

●1月分の先行CIの採用系列で速報値からデータが利用可能な9系列中、現時点で数値が判明しているのは、消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列である。この4系列は全て前月差マイナス寄与になることが判明している。

●また、1月分の先行DIでは、数値が判明している消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列は、全てマイナス符号になることが判明している。12月分速報値段階の先行DIは0.0%以上55.6%以下が確定している。

(2月7日現在)