ホームマーケット経済指標解説2018年10~12月期実質GDP(第1次速報値)予測

2018年10~12月期実質GDP(第1次速報値)予測

2019年1月31日

-10~12月期実質GDP第1次速報値・前期比は2四半期ぶりのプラス成長に-
-外需はマイナス寄与だが、個人消費、設備投資などが前期比プラス寄与に-

●2月14日に発表される10~12月期第1次速報値では、実質GDP成長率は前期比+0.5%程度、前期比年率+2.0%程度と2四半期ぶりのプラス成長になると予測する。 

●10~12月期実質GDP第1次速報値では内需前期比寄与度は+0.8%程度を予測する。実質の個人消費は+0.8%程度を予測する。設備投資は前期比+1.8%程度の増加になりそうだ。 

●外需は、輸出が+1.0%程度と前期比増加に転じるものの、控除項目の輸入が前期比+2.7%程度と高めの伸び率になったため、外需の前期比寄与度は▲0.3%程度のマイナス寄与になるとみた。

●個人消費の供給サイドの関連データである耐久消費財出荷指数の10~12月期前期比は+4.5%の増加になった。非耐久消費財出荷指数は同▲3.1%の減少だ。GDPの個人消費算出には直接使用されないが、同じく供給サイドの関連データである商業動態統計・小売業販売額指数の10~12月期前期比は+1.2%の増加だ。一方、需要サイドの関連データでは、家計調査・二人以上世帯・実質消費支出(除く住居等)の10~11月分平均比対7~9月分平均比は+1.5%の増加だ。乗用車販売台数の10~12月期前期比は+2.6%の増加になった。GDP統計の実質個人消費と関連性が高い消費総合指数(月次ベース)の10~11月分平均比対7~9月分平均比は+0.8%の増加である。10~12月期第1次速報値では個人消費の前期比は総合的に判断すると+0.8%程度と、自然災害の影響で落ち込んだ7~9月期の反動もあって、2四半期ぶりにプラスの伸び率になるとみた。

●住宅投資は前期比+0.1%程度とみた。先行指数である最近の新設住宅着工戸数・季節調整値が6月分の年率91.5万戸を底に、11月分の同95.7万戸まで9月分の同94.3万戸を除き95万戸台で推移していたことなどを参考にした。 

●設備投資の関連データである資本財出荷指数の10~12月期前期比は+4.7%の増加になった。資本財(除.輸送機械)は同+2.0%の増加である。また、建設財は同+2.8%の増加になった。供給サイドから推計される10~12月期実質設備投資・前期比は+1.8%程度の増加に転じると予測した。 

●在庫投資の前期比寄与度は0.0%程度とみた。ARIMAモデルにより内閣府が現時点での情報を使って算出・公表した、10~12月期の原材料在庫の季調済実質値前期差は▲2,088億円、仕掛品在庫の季調済実質値前期差は▲3,406億円である。また、鉱工業在庫指数の前期比は、7~9月期は+1.2%のプラスだったが、10~12月期は▲0.2%のマイナスになったことなどを考慮した。 

●公共投資は前期比▲2.3%程度の減少と見た。関連データの公共工事出来高・前年同月比は10月分▲5.2%、11月分▲4.2%で7~9月期の前年同期比▲2.9%より弱い。7~9月期の公共投資は名目ベースそして実質ベースとも7~9月期より前年同期比が低下すると考えた。 

●実質輸出入の動向をみると輸出の10~12月期前期比は+1.2%の増加になったが、控除項目の輸入は同+3.5%の増加になっている。モノの外需の10~12月期の動向はマイナス寄与になるとみられる。サービス面を考慮して、GDPの輸出の10~12月期前期比は+1.0%の増加、同輸入は同+2.7%の増加と予測した。10~12月期の外需の前期比寄与度は▲0.3%程度のマイナスになると予測する。 

●1月のESPフォーキャスト調査によると、前期比年率の予測総平均は+2.25%(高位8人平均+3.46%、低位8人平均+1.19%)である。ESPフォーキャスト調査でも7~9月期が前期比年率▲2.5%とマイナス成長だった反動もあり、2%程度のプラス成長になるという見方が平均的な状況だ。