2018年7月分機械受注

2018年9月13日

―7月分機械受注(除船電民需)前月比+11.0%と3カ月ぶりの増加に―
―7月分内訳、製造業前月比+11.8%、非製造業前月比+10.9%と両方増加―
―8・9月分が各前月比▲2.8%で7~9月期前期比ゼロ。見通し▲0.3%上回る―
―3カ月前水準には届かず基調判断「持ち直しの動きに足踏みがみられる」据え置き―

●7月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は+11.0%と市場予想を上回る2ケタの伸び率で、3カ月ぶりの増加になった。各種の堅調な設備投資計画調査に見合った動きと言える。一方、機械受注(除船電民需)の前年同月比は+13.9%で4カ月連続の増加になった。

●機械受注(除船電民需)の大型案件は、前回6月分に続き、今回7月分も0件だった。 

●6月分の製造業の前月比は+11.8%と2カ月ぶりの増加。製造業17業種中、12業種で増加し、減少は5業種だった。 

●7月分の実質機械受注・製造業の前月比が2ケタの増加になったことから、景気動向指数・確報値での先行CI前月差は、マネーストック「M2」の下方修正を考慮しても、速報値の▲1.1から現状では▲0.9程度に上方修正される可能性が大きくなった。7月分の先行DIは、実質機械受注・製造業が比較対象の4月分よりは低水準だったのでマイナス符号で新たに加わる。他の系列の符号が速報値段階と変わらなければ、22.2%から20.0%に下方修正されるとみられる。 

●7月分の非製造業(除船電民需)の前月比は+10.9%と2カ月ぶりの増加になった。7月分前年同月比は+7.7%で2カ月ぶりの増加に転じた。電力業の7月分は、火水力原動機2件と化学機械の1件の大型案件があり、前月比は+48.6%の増加になった。非製造業全体では前月比+12.9%で、こちらも2カ月ぶりの増加になった。非製造業12業種中、9業種が増加で3業種が減少となった。 

●大型案件は、前回6月分では合計7件だった。内訳をみると、民需は電力業の2件(火水力原動機、運搬機械)。官公需は地方公務の1件(その他産業機械)、外需は4件(火水力原動機2件、通信機1件、化学機械1件)であった。今回7月分では合計8件だった。内訳をみると、民需は電力業の3件(火水力原動機2件、化学機械1件)。官公需は防衛省の1件(航空機)、地方公務の1件(その他産業機械)、その他官公需の2件(その他産業機械2件)の計4件。外需は1件(化学機械)であった。 

●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注は7月分で前月比+11.0%と2カ月ぶりの増加となった。前年同月比は+4.5%と2カ月ぶりの増加になった。 

●外需は7月分で前月比+6.0%と2カ月ぶりの増加となった。前年同月比は+1.2%と2カ月ぶりの増加となった。 

●内閣府の基調判断は、17年8月分で「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」に4カ月ぶりに判断が上方修正された。「足踏み」という言葉が入らない表現は16年8月分以来、1年ぶりだった。9月分・10月分に続き、11月分でも基調判断は「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」で据え置きになった。12月分は、「機械受注は、持ち直しの動きがみられるものの、12月の実績は大きく減少した」で実質的に判断据え置きとなった。こうした表現は16年4月分の「機械受注は、持ち直しの動きがみられるものの、4月の実績は大きく減少した」以来であった。

●18年1月分~3月分では基調判断は「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」で据え置きになった。4月分では基調判断は「機械受注は、持ち直している」に8カ月ぶりに判断が上方修正された。5月分では基調判断は「機械受注は、持ち直している」で据え置きになった。前回6月分では3カ月移動平均は6カ月ぶりに下落したことなどから「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」に13カ月ぶりの下方修正になった。今回7月分でも「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」と判断据え置きになった。3カ月移動平均は2カ月連続で下落した。 

●機械受注(除船電民需)7~9月期の前期比見通しは▲0.3%。7~9月期の前期比実績は見通しに使う達成率の計算方法を変えた09年(平成21年)からの9年間で上振れ7回、下振れ2回となっている。18年(平成30年)の見通しは単純集計値に過去3四半期平均の達成率101.6をかけたものである。▲0.3%達成には、8・9月の前月比が各々▲3.0%で達成できる。8・9月の前月比が各々▲2.8%で7~9月期の前期比実績は横這いで見通しより上振れる。7月分の数字からは上振れの可能性が高まったようだ。

●日銀短観6月調査で、GDPの設備投資の概念に近い「ソフトウェア・研究開発を含み土地投資額を除くベースの全産業・全規模の設備投資」の2018年度計画・前年度比は、大企業・全産業で+11.0%。一方、18年度の中小企業・全産業で▲4.7%。18年度の全規模・全産業では+9.1%になった。6月時点としてはかなりしっかりした数字となっていた。また、日本政策投資銀行が8月1日に発表した18年度の設備投資計画調査で全産業の国内投資が17年度の実績比+21.6%の増加で19兆7,468億円。伸び率としては80年度以来38年ぶりの高さで、増加は7年連続としっかりした内容になった。7~9月期の法人企業景気予測調査によると、2018年度の設備投資計画(ソフトウエアを含む)は全産業で前年度比+9.9%の増加となる見通しだ。7~9月としては05年度以来、13年ぶりの高水準となっている。このように計画調査はしっかりしている。 

●3月分景気ウォッチャー調査・設備投資関連・現状判断DIを計算してみると、53.1(コメントしたウォッチャー数:8人)なのに対し、設備投資関連・先行き判断DIが45.8(同12人)と景気判断の分岐点の50割れとなっており、先行きの不透明さが、折角良くなってきた機械受注、設備投資の動きを妨げないか懸念されていた。しかし、4月分景気ウォッチャー調査では、設備投資関連・現状判断DIが61.4(同8人)、設備投資関連・先行き判断DIが63.9(同9人)となった。 

●5月分景気ウォッチャー調査では、設備投資関連・現状判断DIは53.3(同15人)、設備投資関連・先行き判断DIが61.4(同11人)。6月分景気ウォッチャー調査では、設備投資関連・現状判断DIは50.0(同12人)だが、設備投資関連・先行き判断DIが65.6(同8人)。7月分景気ウォッチャー調査では、設備投資関連・現状判断DIは50.0(同9人)だが、設備投資関連・先行き判断DIが67.9(同7人)となった。8月分の景気ウォッチャー調査では、設備投資関連・現状判断DIは52.5(同10人)、設備投資関連・先行き判断DIが59.6(同13人)となった。足元、景気ウォッチャー調査の設備投資関連・DIの動向はしっかりしている。人手不足対応の他に、最先端の技術を競う業種では生き残りをかけた設備投資の必要に迫られているものも多い。幸い企業収益は過去最高水準にある。 

●7~9月期GDP第1次速報値では設備投資が弱含む可能性が出てきた。保護主義の高まりや天候不順などの影響が当面懸念される。設備投資の供給サイドの関連指標は7月分が弱含んだ。しかし、設備投資の先行指標である機械受注7月分は市場の予想を上回るかなりしっかりっした内容だった。今後、各種設備投資計画や、景気ウォッチャー調査の設備投資関連DIに見合って、8・9月分の機械受注統計が底堅い動きを続けるかどうかが注目される。