2018年6月分景気動向指数(速報値)

2018年8月7日

-先行CI前月差▲1.7と3カ月ぶり下降、一致CI前月差▲0.5と2カ月連続下降-
-先行DI・44.4%、一致DI・57.1%と、景気分岐点の50%挟み、明暗分ける-
-一致CI3カ月後方移動平均3カ月連続上昇。基調判断21カ月連続「改善」-

●6月分の景気動向指数・速報値では、先行CIは前月差▲1.7と3カ月ぶりの下降になった。速報値からデータが利用可能な9系列では、新規求人数、マネーストックの2系列が前月差プラス寄与に、最終需要財在庫率指数(前月差寄与▲0.00)、鉱工業生産財在庫率指数、住宅着工床面積、消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの7系列が前月差マイナス寄与になった。

●一致CIは前月差▲0.5と2カ月連続の下降になった。速報値からデータが利用可能な7系列中、耐久消費財出荷指数、商業販売額指数・小売業、有効求人倍率の3系列がプラス寄与に、生産指数、鉱工業生産財出荷指数、投資財出荷指数、商業販売額指数・卸売業の4系列が前月差マイナス寄与になった。 

●6月分の一致CIの指数水準は116.3になった。なお、直近のピークは17年12月分の118.9である。 

●一致CIの3カ月後方移動平均は前月差+0.10ポイント上昇し、3カ月連続の上昇になった。7カ月後方移動平均は前月差▲0.16ポイント下降し、3カ月ぶりの下降になった。 

●一致CIを使った景気の基調判断をみると、15年5月分~16年9月分の1年5カ月間の間、景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す「足踏みを示している」という同じ基調判断が続いていたが、16年10月分で「改善を示している」に上方修正された。その後16年11月分~18年5月分まで同じ基調判断だった。今回18年6月分も「改善を示している」で、21カ月連続して最高の判断が続いている。一致CIは足元弱含み基調だが、ある程度の長さで見た景気の基調はしっかりしているとみられる。

●12年12月から始まった「アベノミクス景気」は18年6月分で67カ月となり、戦後最長の「いざなみ景気」の73カ月に次ぐ、戦後2番目の長さの景気拡張局面を続けている。

●基調判断が、景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す「足踏み」に下方修正されるには「当月の前月差の符号がマイナス。かつ3カ月後方移動平均(前月差)の符号がマイナスに変化し、マイナス幅(1カ月、2カ月または3カ月の累積)が振幅目安の1標準偏差分(▲1.02)以上」であることが必要だ。 

●また基調判断が、事後的に判定される景気の山が、それ以前の数カ月にあった可能性が高いことを示す「下方への局面変化」に下方修正されるには、「当月の前月差の符号がマイナス。かつ7カ月後方移動平均(前月差)の符号がマイナスに変化し、マイナス幅(1カ月、2カ月または3カ月の累積)が1標準偏差分(▲0.86)以上」であることが必要だ。 

●7月分で「足踏み」への下方修正になるには、まず7月分一致CIが前月差下降となることが条件だが、6月分の製造工業生産予測指数が前月比+2.7%、経産省の試算値・最頻値が+0.2%と増加の見込みなので、3カ月連続下降になる可能性は小さいだろう。万一、7月分も下降になった場合、過去の数字が変わらないとすれば、7月分一致CIの前月差が▲1.8の大幅下降でも、3カ月後方移動平均の前月差(なお、2カ月前または3カ月前は上昇)が▲1.00となり、振幅目安の1標準偏差分(▲1.02)に届かない。「足踏み」への下方修正の可能性はほとんどないとみられる。

●今回6月分速報値では、先行DIは44.4%程度と3カ月ぶりに50%を下回った。また、一致DIは57.1%で、こちらは景気判断の分岐点の50%を3カ月連続で上回った。 

●6月分景気動向指数・改定値では、先行CIに新たに実質機械受注(製造業)が加わる。機械受注の発表日は8月9日である。また在庫率関連データなどが8月14日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかが注目される。 

●6月分景気動向指数・改定値では、一致CIは所定外労働時間指数が新たに加わる。速報値段階の前月差寄与度は▲0.07程度である。また、DIの符号はプラスである、他の系列の符号が変わらなければ一致DIは62.5%程度と速報値の57.1%から上方修正されると予測される。改定値では確報値の数字が使われるが、確報値の発表日は8月22日であるので、どう修正されるか注目される。また、生産指数関連データなどが8月14日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかが注目される。

●7月分の先行CIの採用系列で速報値からデータが利用可能な9系列中、現時点で数値が判明しているのは、消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列である。全系列が前月差マイナス寄与になることが判明している。他の系列が弱ければ2カ月連続で前月差が下降に転じてしまう可能性もある。 

●また、7月分の先行DIでは、数値が判明している消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列中、消費者態度指数、中小企業売上げ見通しDIの2系列がプラス符号に、日経商品指数、東証株価指数の2系列がマイナス符号になることが判明している。7月分速報値段階の先行DIは22.2%以上77.8%以下が確定している。