2017年12月分機械受注

2018年2月15日

―12月分の機械受注(除船電民需)前月比は▲11.9%と3カ月ぶりに減少―
―内閣府「機械受注は、持ち直しの動きがみられるものの、12月の実績は大きく減少した」で実質的には基調判断を据え置き。
こうした表現は16年4月分以来―
―機械受注(除船電民需)10~12月期の実績は▲0.1%、1~3月期見通しは+0.6%―

●12月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は▲11.9%と事前の予想を覆し、大幅減少になった。減少は3カ月ぶりだ。内訳をみると、製造業の前月比は▲13.3%と2カ月連続の減少となった。非製造業(除船電民需)の前月比は▲7.3%と3カ月ぶりの減少となった。機械受注(除船電民需)の前年同月比は▲5.0%と3カ月ぶりの減少になった。

●機械受注(除船電民需)の大型案件は、4月分・5月分・6月分・7月分と0件で、企業行動の慎重さが窺えるような状況であったが、8月分は「その他非製造業」の火水力原動機1件、9月分は「非鉄金属」の原子力原動機1件、10月分では「化学工業」の化学機械、前回11月分は「卸売業・小売業」の運搬機械1件があった。 

●機械受注(除船電民需)の大型案件は、今回12月分は該当がなかった。このことは前月比で減少になった要因のひとつであろう。 

●12月分の製造業の前月比は▲13.3%と2カ月連続の減少。製造業17業種中、12業種で増加した。減少は5業種だった。11月分で前月比+309.3%だった非鉄金属が▲83.7%と、反動で大幅減少に転じた。製造業の10~12月期の見通し・前期比は▲9.4%の大幅減少だったが、実績は前期比+4.0%と増加に転じた。3四半期連続の増加で製造業の機械受注の基調はしっかりした状況にあると言えよう。 

●12月分の非製造業(除船電民需)の前月比は▲7.3%と3カ月ぶりに減少となった。前年同月比でみると、12月分は▲10.9%で9カ月連続の減少と弱めの基調が続いている。製造業は12月分こそ前年同月比+3.0%と鈍化したものの8月分~11月分は前年同月比2ケタ増で、5カ月連続の増加であることと対照的だ。11月分に原子力原動機3件、火水力原動機1件の合計4件の大型案件があり前月比+68.0%と大幅増だった電力業は12月分の大型案件がゼロで前月比▲53.5%の大幅減となった。このため非製造業全体では前月比▲17.2%の2ケタマイナスで、こちらは2カ月ぶりの減少になった。非製造業12業種中、5業種が増加で7業種が減少となった。 

●大型案件は、前回11月分では合計10件あった。内訳は「卸売業・小売業」1件、非製造業の電力業4件、「運輸業・郵便業」の船舶1件、官公需1件(防衛省・航空機)、外需3件(火水力原動機、電子計算機等、航空機)であった。今回12月分では合計2件にとどまった。内訳は官公需1件(運輸業・鉄道車両)、外需1件(火水力原動機)である。 

●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注は12月分で前月比▲5.9%と2カ月ぶりの減少になった。12月分の前年同月比は▲3.8%と3カ月ぶりの減少になった。 

●内閣府の基調判断は、17年8月分で「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」に4カ月ぶりに判断が上方修正された。「足踏み」という言葉が入らない表現は16年8月分以来、1年ぶりだった。9月分・10月分に続き、前回11月分でも基調判断は「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」で据え置きになった。今回12月分は、「機械受注は、持ち直しの動きがみられるものの、12月の実績は大きく減少した」で実質的に判断据え置きとなった。こうした表現は16年4月分の「機械受注は 、持ち直しの動きがみられるものの、4月の実績は大きく減少した」以来である。

●10~12月期の機械受注(除船電民需)の見通しは前期比▲3.5%の減少であったが実績は同▲0.1%と上振れた。10~12月期の機械受注(除船電民需)の見通しは、10年(平成22年)からの8年間で12年(平成24年)の1回だけ下振れで、残り7回は上振れである。 

●機械受注(除船電民需)1~3月期の前期比見通しは+0.6%である。1~3月期の前期比実績はかつて見通しを下振れることが多かったが、見通しに使う達成率の計算方法を変えた10年(平成22年)からの7年間で上振れ4回、下振れ3回とほぼ同じになっている。 

●半導体関連の受注などが好調なことから10~12月期の機械受注統計で、電子・通信機械の受注額は前年同期比+10.8%、工作機械の受注額は前年同期比+47.0%である。また、日工会の統計で工作機械受注額・内需1月分速報値は前年同月比+47.3%と堅調である。こうした分野が足元の受注を牽引しよう。一方、最近の円高傾向が輸出企業の受注動向に与える影響なども要注視であろう。 

●2月調査のESPフォーキャスト調査で17年度の実質設備投資の前年度比見通しは平均+3.54%、高位8人の平均は+3.93%、低位8人の平均は+3.18%と3%台で収斂しているが、18年度見通しは平均+2.78%、高位8人の平均は+4.40%、低位8人の平均は+1.14%と現時点では幅がある。18年度の伸び率が今後どう修正されていくかを占う上で、目先、設備投資の先行指標である機械受注統計の注目度が高まっていくとみられる。