2017年12月調査 日銀短観 予測

2017年12月7日

―大企業・製造業の業況判断DIは19期連続の「良い」超を予測―
―今回の調査は、息の長い景気拡張継続を裏付ける内容に―

●12月調査日銀短観では、大企業・製造業の業況判断DIが+25程度と9月調査の+22から3ポイント程度上昇し、13年6月調査以降19期連続して「良い」超のプラスになるとみた。予測通りなら、06年12月調査の+25以来11年ぶりの水準になる。息の長い景気拡張局面が継続していることを示唆する数字となろう。 

●また、大企業・非製造業の業況判断DIは+24程度とこちらは9月調査の+23から1ポイント程度の上昇になると予測する。小売業も天候の回復もあり上昇すると見た。非製造業は11年9月調査以降26期連続で「良い」超のプラスになろう。なお、今回の連続プラスの期間の最高水準は15年9月調査・12月調査の+25である。この水準に、あと1ポイントに迫る数字となると予測する。 

●この予測は、日銀短観DIと連動性が高いことが知られているQUICK短観(12月調査)やロイター短観(12月調査)などを参考にした。

●12月6日に発表されたQUICK短観12月調査の調査期間は11月21日から12月3日である。製造業の業況判断DIは9月調査の+31から5ポイント上昇の+36となった。また、非製造業DIは9月調査の+39から1ポイント上昇の+40となった。

●12月7日に発表されたロイター短観12月調査の調査期間は11月21日から12月4日である。400社ベースの製造業の業況判断DIは9月調査の+25から2ポイント上昇の+27となった。 

●また、12月調査400社ベースの非製造業DIは9月調査の+34と同水準の+34となった。

●大企業・製造業の業況判断DIが予測通り+25程度なら、9月調査の「先行き見通し」+19を6ポイント上回ることになる。また大企業・非製造業が予測通り+24程度なら、9月調査の「先行き見通し」+19を5ポイント上回ることになる。足元の景況感が事前の予想より製造業、非製造業ともに上振れることとなろう。

●QUICK短観12月調査の製造業の3月までの「先行き見通し」は+33で12月実績の+36より3ポイント低下の予想、非製造業の3月までの「先行き見通し」は+39で12月実績の+40から1ポイントの低下予想である。 

●一方、ロイター短観12月調査の3月までの「先行き見通し」は、製造業・400社ベースで+28と12月実績の+27から1ポイント上昇見込み、非製造業・400社ベースの3月までの「先行き見通し」は+31と、12月実績の+34から3ポイントの低下予想である。 

●最近の「景気ウォッチャー調査」の先行き判断で比較的多くみられるキーワードは「不安」である。先行き判断で「不安」という言葉を使った景気ウォッチャーは、7月調査60人(不安関連DI41.7)、8月調査62人(不安関連DI40.3)とともに60人台で9月調査は78人(不安関連DI43.9)と多くなっていた。しかし、直近10月調査は51人に減少した。不安関連DIも45.6まで上昇し景気判断の分岐点50にあと4.4ポイントにまで迫った。北朝鮮問題に代表される国際情勢の緊迫化、最近のAIなどの急速な進歩、高齢化社会の行方、天候不順などに対する様々な「不安」が、先行きの景況感の足枷になってきていたが、足元での不安感は幾分和らいだようだ。9月調査では「先行き見通し」が「実績」を大企業製造業で3ポイント、同非製造業で4ポイントも低下したが、12月調査では製造業が1ポイント程度、非製造業が2ポイント程度の小幅な低下にとどまると見た。 

●日銀短観の大企業・業況判断DIの3月までの「先行き見通し」は、QUICK短観やロイター短観などを参考にして、製造業で12月実績比1ポイント低下の+24程度、非製造業も12月実績比2ポイント低下の+22程度と予測した。 

●12月調査日銀短観の中小企業の業況判断DIは製造業が+11程度と9月調査の+10から1ポイント程度上昇すると予測した。予測通りなら、91年8月調査の+20以来16年4カ月ぶりの水準になる。非製造業は9月調査の+8から1ポイント上昇し+9程度になるとみた。非製造業の+9は91年11月調査の+13以来の16年1カ月ぶりの水準だ。この予測値は、景気ウォッチャー調査の企業動向関連の現状水準判断DIなどを参考にして予測した。 

●なお、中小企業・非製造業の業況判断DIは13年12月調査で92年2月調査以来のプラスにようやく転じた後、14年12月調査を新しい調査対象企業(+1)でみると、この12月調査で17期連続マイナスではない状況が続くことになる。このマイナスではない状況の連続記録は87年9月調査から92年6月調査の20期連続以来とバブル期以来である。雇用吸収力の大きい非製造業の業況判断DIの良さも、最近の好調な雇用状況につながっていよう。 

●参考データの景気ウォッチャー調査の企業動向関連の現状水準判断DI・季節調整値の最近の推移は製造業が8月調査51.2、9月調査53.4、10月調査56.0と改善傾向にある。また、非製造業は8月調査50.8、9月調査53.0、10月調査55.7となっている。なお、日銀短観は水準の調査なので、景気ウォッチャー調査の方向性の現状判断DIではなく、参考データの現状水準判断DIの方を重視した。

●中小企業・製造業の業況判断DIが+11程度と予測通りなら、9月調査の「先行き見通し」の8を3ポイント上回ることになる。また中小企業・非製造業が+9程度と予測通りなら、9月調査の「先行き見通し」+4を5ポイント上回ることになる。足元の景況感が製造業、非製造業ともに事前の予想から上振れることとなろう。 

●日銀短観の中小企業・業況判断DIの3月までの「先行き見通し」は、景気は先行き不透明さが依然強い中では慎重な回答が多いように思われる。製造業で12月実績比2ポイント悪化の+9程度、非製造業は12月実績比4ポイント悪化の+5程度と予測した。非製造業では先行きをかなり慎重にみるというクセを考慮した。 

●2017年度の大企業・全産業の設備投資計画は前年度比+7.5%程度と、9月調査の同+7.7%からやや下方修正されると予測した。過去の修正パターンや、最近の設備投資計画調査などを参考にした。 

●2017年度の中小企業・全産業の設備投資計画は前年度比▲8.5%程度と、9月調査の同▲14.1%から上方修正されると予測した。中小企業の設備投資計画は例年3月調査が弱く、その後は1年後の3月調査まで調査の度に改善していく傾向があることなどを参考にした。

<12月調査日銀短観・予測値>

1)大企業

         12月製造業DI                        +25
        12月非製造業DI                       +24
         3月製造業DI                         +24
         3月非製造業DI                        +22
         2017年度設備投資計画(全産業)前年度比  +7.5%

2)中小企業

        12月製造業DI                         +11
        12月非製造業DI                        +9
        3月製造業DI                           +9
        3月非製造業DI                         +5
        2017年度設備投資計画(全産業)前年度比  ▲8.5%