2017年10月分景気動向指数(速報値)

2017年12月7日

-先行CI前月差▲0.4と2カ月連続下降、一致CI同+0.3で2カ月ぶり上昇-
-一致CI3カ月後方移動平均は+0.24と2カ月ぶり上昇-
-基調判断13カ月連続「改善を示している」継続-

●10月分の景気動向指数・速報値では、先行CIは前月差▲0.4と2カ月連続の下降になった。速報値からデータが利用可能な9系列では、日経商品指数、マネーストック、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列が前月差プラス寄与に、最終需要財在庫率指数、鉱工業生産財在庫率指数、新規求人数、新設住宅着工床面積、消費者態度指数の5系列が前月差マイナス寄与になった。

●一致CIは前月差+0.3と2カ月ぶりの上昇になった。速報値からデータが利用可能な7系列中、生産指数、投資財出荷指数、商業販売額指数・卸売業、有効求人倍率の4系列が前月差プラス寄与に、鉱工業用生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、商業販売額指数・小売業の3系列が前月差マイナス寄与になった。 

●8月分の一致CIの指数水準は117.6に1ポイント下方修正された。これは消費税引き上げ前の駆け込みが出た14年3月分の117.6と同じだ。117.7になれば、リーマンショック前の07年10月分の118.8以来の水準になる。10月分の一致CIの指数水準は116.5だ。これは、8月分の指数水準より1.1ポイント低く、東日本大震災発生時のボトムで直近のボトムである11年4月分の95.8よりは20.7ポイント高い水準である。 

●一致CIの3カ月後方移動平均は+0.24ポイント上昇し、2カ月ぶりの上昇になった。7カ月後方移動平均は0.30ポイント上昇し、15カ月連続の上昇になった。 

●一致CIを使った景気の基調判断をみると、15年5月分~16年9月分の1年5カ月間もの間、景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す「足踏みを示している」という同じ基調判断が続いていたが、16年10月分で「改善を示している」に上方修正された。その後16年11月分~17年9月分まで同じ基調判断だった。今回10月分も「改善を示している」で、13カ月連続して最高の判断が続いている。

●基調判断が、景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す「足踏み」に下方修正されるには「当月の前月差の符号がマイナス。かつ3カ月後方移動平均(前月差)の符号がマイナスに変化し、マイナス幅(1カ月、2カ月または3カ月の累積)が振幅目安の1標準偏差分(▲1.04)以上」であることが必要だ。 

●また基調判断が、事後的に判定される景気の山が、それ以前の数カ月にあった可能性が高いことを示す「下方への局面変化」に下方修正されるには、「当月の前月差の符号がマイナス。かつ7カ月後方移動平均(前月差)の符号がマイナスに変化し、マイナス幅(1カ月、2カ月または3カ月の累積)が1標準偏差分(▲0.87)以上」であることが必要だ。 

●11月分で、「足踏み」になるには、3カ月後方移動平均の前月差が▲1.04以上になる必要がある。そのためには▲2.1ポイント以上の前月差大幅な下落幅になることが必要だ。また、「下方への局面変化」になるには、▲5.9ポイント以上の前月差大幅な下落幅になることが必要だ。11月分の製造工業生産予測指数の前月比が+2.8%であることから、第1系列の生産指数(鉱工業)前月比が大幅な減少になることは考えにくく、にわかに基調判断が下方修正される可能性はないとみられる。11月分も「改善」の判断が続こう。 

●12年12月から始まった「アベノミクス景気」はこの10月分で59カ月となり、戦後最長の「いざなみ景気」の73カ月に次ぐ、戦後2番目の長さの景気拡張局面を続けている。

●今回10月分速報値では、先行DIは72.2%と景気判断の分岐点の50%を4カ月連続で上回った。また、一致DIは57.1%で、こちらは9月分が50.0%から55.6%に上方修正されたため景気判断の分岐点の50%を3カ月連続で上回り、DIからも景気拡張局面を示唆する状況になっている。 

●10月分景気動向指数・改定値では、先行CIに新たに実質機械受注(製造業)が加わる。機械受注の発表日は12月13日である。また在庫率関連データなどが12月14日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかが注目される。 

●10月分景気動向指数・改定値では、一致CIは所定外労働時間指数が新たに加わる。速報値の発表日は12月8日である。確報値の発表日は12月22日である。また、生産指数関連データなどが12月14日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかが注目される。但し、「改善」の基調判断は変わらないとみられる。 

●11月分の先行CIの採用系列で、現時点で数値が判明しているのは、消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列である。4系列全てが前月差プラス寄与になることが判明している。4系列の前月差寄与度合計は1.8程度になる。3カ月ぶりの前月差上昇になる可能性が大きそうだ。 

●また、11月分の先行DIでは、数値が判明している消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列で全てがプラス符号と判明している。10月分速報値段階の先行DIは44.4%以上100.0%以下が確定している。あと、1系列プラスになれば、5カ月連続で50%を上回ることになる。