2017年7~9月期実質GDP(第1次速報値)について

2017年11月15日

―実質GDP成長率は前期比年率+1.4%、16年半ぶり7四半期連続プラス―
―外需が牽引。外需前期比寄与度+0.5%。一方、内需は同▲0.2%。―
―天候要因で実質個人消費前期比▲0.5%も、実質雇用者報酬は同+0.5%―
―内閣府年央試算+1.5%は残り各四半期・前期比年率+0.6%程度で達成―

●17年7~9月期実質GDP成長率・第1次速報値は前期比+0.3%、前期比年率+1.4%となった。プラス成長は7四半期連続で、99年4~6月期から01年1~3月期の8四半期連続以来、16年半ぶりだ。 

●内需主導の成長になった4~6月期と逆に、7~9月期は外需主導の成長になった。外需の前期比寄与度は+0.5%で、2四半期ぶりのプラス寄与になった。一方、内需は反動減もあり同▲0.2%と4四半期ぶりのマイナス寄与になった。 

●7~9月期・第1次速報値の名目GDP成長率は前期比+0.6%、前期比年率+2.5%となった。 

●7~9月期の個人消費・前期比は、実質雇用者報酬の前期比が+0.5%と3四半期連続の増加になったにもかかわらず、前期比▲0.5%と7四半期ぶりの減少になった。4~6月期の前期比が+0.7%と高めの伸び率であった反動があったようだ。新車や新商品の発売時期がずれたスマホの販売鈍化に加え、長雨や台風の天候要因が大きくマイナスに寄与したようだ。個人消費は一時的な減速と言えそうだ。

●7~9月期の実質個人消費の内訳をみると、耐久財の前期比は▲1.2%と7四半期ぶりの減少になった。半耐久財の前期比は+1.0%と2四半期ぶりの増加に、非耐久財の前期比は+0.1%と2四半期連続の増加になったが、サービスの前期比は天候不順の影響が大きく▲0.7%と6四半期ぶりの減少になった。 

●7~9月期の実質設備投資・前期比は+0.2%と4四半期連続の増加になった。名目の前期比(季節調整済み)は+0.6%と4四半期連続の増加になった。 

●供給サイドのデータに基づいて算出した、名目設備投資の供給側推計値の名目原系列前期比は+10.7%で、需要側推計値(仮置き値)の名目原系列前期比は+14.5%であると公表された。法人企業統計が出たときに比較することで、7~9月期実質GDP成長率・第2次速報値での設備投資予測の参考となる数字だ。 

●7~9月期実質住宅投資は前期比▲0.9%と、7四半期ぶりの減少になった。 

●7~9月期民間在庫変動の実質・前期比寄与度は+0.2%だった。民間在庫投資の内訳をみると、製品在庫が前期比寄与度+0.1%、流通在庫は前期比寄与度+0.1%、一方、仮置き値の原材料在庫と同じく仮置き値の仕掛品在庫の前期比寄与度はともに0.0%だった。 

●実質政府最終消費支出は前期比▲0.1%と2四半期ぶりの減少。16年度補正予算の効果が4~6月期に大きく顕在化した実質公共投資は、7~9月期は反動が出て前期比▲2.5%と3四半期ぶりの減少になった。公的在庫変動の実質・前期比寄与度は▲0.0%であった。 

●外需(純輸出)の前期比寄与度は+0.5%と2四半期ぶりのプラス寄与になった。実質輸出は前期比+1.5%と2四半期ぶりの増加になった。財は前期比+2.3%と2四半期ぶりの増加になった。サービスは前期比▲1.9%と2四半期ぶりの減少になった。実質輸入の前期比は▲1.6%と5四半期ぶりの減少になった。財に関しては前期比▲1.3%と4四半期ぶりの減少、サービスは前期比▲2.6%と6四半期ぶりの減少になった。 

●実質GDPに海外からの実質純所得と交易利得を加えた実質GNI(国民総所得)は前期比+0.6%と4四半期連続の増加になった。 

●7~9月期のGDPデフレーターの前年同期比は+0.1%で、5四半期ぶりのプラスの伸び率になった。国内需要デフレーターの前年同期比は+0.5%の伸び率になった。両方の伸び率が揃ってプラスになったのは15年4~6月期以来9四半期ぶりのことだ。デフレ脱却が窺える数字だ。一方、7~9月期の季節調整済み前期比をみると、GDPデフレーターは+0.3%で、3四半期ぶりにプラスの伸び率になった。国内需要デフレーターの前期比は+0.2%と2四半期ぶりにプラスの伸び率になった。両者が揃ってプラスになったのは16年10~12月期以来3四半期ぶりだ。

●17年度の実質GDP成長率見通し(内閣府年央試算)+1.5%は残り各四半期・前期比年率+0.6%程度(前期比+0.15%程度)で達成可能だ。ちなみに、16年度から17年度へのゲタは+0.4%だ。先行きについても、緩やかな景気拡張基調が期待されるので、+1.5%を上回る可能性は十分にあると言えそうだ。

●12月8日に発表される7~9月期第2次速報値では、12月1日の法人企業統計の発表を受けて、設備投資や在庫投資などを中心に改定される。

 ●法人企業統計では在庫投資の伸び率は名目の前年同期比で発表される。GDPの第1次速報値では在庫投資・名目原数値・前年同期比寄与度は▲0.1%であった。この内訳に関しては、雰囲気しか教えてもらえないが、流通在庫、原材料在庫がこの順に前年同期比マイナス寄与で、仕掛品在庫、製品在庫がこの順に前年同期比プラス寄与だった模様だ。