2016年9月分景気動向指数(速報値)

2016年11月8日

-12/7発表10月分で1年半ぶりの景気基調判断上方修正か。遂に「改善」に王手-
-先行CI前月差▲0.4と2カ月ぶり下降、一致CI前月差+0.2で2カ月ぶり上昇-
-基調判断は17カ月連続「足踏み」、景気の不透明状況が継続は9月分までか-
-9月分改定値で新たに一致CIに加わる所定外労働時間は上方修正要因に-
-9月分までの数字が不変なら、10月分前月差+0.1で遂に「改善」に-

●9月分の景気動向指数・速報値では、先行CIは▲0.4と2カ月ぶりの前月差下降となった。9月分の先行CIの指数水準は100.5となった。速報値からデータが利用可能な9系列では、新規求人数、新設住宅着工床面積、消費者態度指数、日経商品指数、マネーストック、東証株価指数の6系列が前月差プラス寄与に、最終需要財在庫率指数、鉱工業生産財在庫率指数、中小企業売上げ見通しDIの3系列が前月差マイナス寄与になった。

●一致CIは前月差+0.2と2カ月ぶりの上昇になった。速報値からデータが利用可能な8系列では、鉱工業生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、商業販売額指数・小売業、中小企業出荷指数の4系列が前月差プラス寄与に、生産指数1系列が前月差寄与ゼロに、投資財出荷指数、商業販売額指数・卸売業、有効求人倍率の3系列が前月差マイナス寄与になった。9月分の一致CIの指数水準は112.1である。東日本大震災発生時のボトムで直近のボトムである11年4月分の96.2よりは15 .9ポイント高い水準だが、直近のピークである14年3月分の117.8よりは5.7ポイント低い水準だ。

●一致CIの3カ月後方移動平均の前月差は+0.03と2カ月連続して上昇した。7カ月後方移動平均の前月差は+0.25と2カ月ぶりの上昇になった。

●一致CIを使った景気の基調判断は、今回9月分でも、景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す「足踏みを示している」で、17カ月連続で同じ判断となった。

●最近の一致CIを使った景気の基調判断をみると、14年12月分で、「改善を示している。ただし、基調判断に用いている3カ月後方移動平均のこのところの変化幅は、大きいものではない」に「下方への局面変化」から上方修正された。「下方への局面変化」から「改善を示している」に戻るのは異例のパスということだった。15年1月分で、但し書きは消えて、「改善を示している」という判断継続になった。15年2月分~4月分でも、「改善を示している」という判断継続になったが、15年5月分で景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す「足踏みを示している」に下方修正された。

●その後、15年6月分~16年9月分でも判断据え置きで、1年5カ月間もの間、同じ基調判断が続いている。

●基調判断が景気拡張の可能性が高いことを示す「改善」に戻るには「当月の前月差の符号がプラス。かつ原則として3カ月以上連続して3カ月後方移動平均が上昇する」ことが必要だ。基調判断が「改善」に戻るには8・9・10月分で3カ月以上連続して3カ月後方移動平均が上昇することが必要だ。9月分までの数字が変わらない場合、10月分が前月差+0.1だけ上昇すれば条件を満たす。12月7日発表の10月分速報値で「改善」に戻る可能性が大きくなってきた。

●一方、次回10月分で「下方への局面変化」に悪化するには、「当月の前月差の符号がマイナス。かつ7カ月後方移動平均(前月差)の符号がマイナスに変化し、マイナス幅(1カ月、2カ月、または3カ月の累積)が1標準偏差分(0.84)以上」であることが必要だ。9月分までの数字が変わらない場合、7カ月後方移動平均前月差は8月分が▲0.06、9月分が+0.26なので、10月分で▲0.84のマイナスになる必要がある。この場合10月分の前月差が▲6.9以上のマイナスが必要で、実現の可能性はゼロだろう。

●9月分改定値で後述するように一致CIは上方修正の可能性がある。このため、10月分の基調判断で、18カ月ぶりに「改善」に上方修正される可能性が大きくなってきた。

●今回9月分速報値では先行DIは66.7%と3カ月ぶりに景気判断の分岐点である50%を上回った。また、一致DIは75.0%と2カ月連続50%超になった。

●9月分景気動向指数・改定値では、先行CIに新たに加わる実質機械受注(製造業)の前月差寄与度は+0.16程度とプラス寄与になると予測する。指標発表日は11月10日である。在庫率関連データなどが確報値段階でどのようにリバイスされるかにもよるが、先行CI・改定値の前月差は▲0.2程度と速報値の▲0.4から上方修正となろうが、前月差下降であることには変わりはないだろう。また、先行DIでは実質機械受注(製造業)の符号がプラス符号になるとみて、70.0%程度と速報値の66.7%から上方修正になると予測する。

●9月分景気動向指数・改定値では、一致CIは所定外労働時間指数が新たに加わる。確報値が速報値と同じだとすれば所定外労働時間指数は前月差+0.39程度のプラス寄与になろう。確報値の発表日は11月22日である。一致CI前月差は+0.6程度と速報値の+0.2から上方修正となろう。また、一致DIでは所定外労働時間指数が速報値と同じだとすれば3カ月前より0.1ポイント低いためマイナス符号で加わることになり、他の指標の符号が不変なら、66.7%程度と2カ月連続の50%超ながら速報値の75.0%から下方修正されよう。

●10月分の先行CIの採用系列で、現時点で数値が判明しているのは、消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列である。このうち日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの3系列が前月差プラス寄与に、消費者態度指数1系列が前月差マイナス寄与になることが判明している。4系列の前月差寄与度を合計すると上昇になる。

●また、10月分の先行DIでは、数値が判明している消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列全てがプラス符号になることが判明している。このため、10月分先行DI速報値は、44.4%以上100.0%以下が確定している。