2016年8月分機械受注

2016年10月12日

8月分の機械受注(除船電民需)前月比は▲2.2%と3カ月ぶりの減少 -
-7~9月期前期比見通し+5.2%は9月分が前月比▲8.9%以上で達成可能-
-内閣府の基調判断は、2カ月連続「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」-
-8月分代理店受注前年同月比+5.7%で13カ月連続増加、中小設備投資底堅さ示唆-

●8月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は▲2.2%と3カ月ぶりの減少になった。6・7月分としっかりした前月比だった反動で、8月分の季節調整値の水準は6月分を+2.7%上回っている。

●機械受注(除船電民需)の大型案件は、8月分は2件で、運輸業・郵便業の鉄道車両と、通信業の通信機だった。運輸業・郵便業の8月分は前月比+20.6%だった。一方、通信業の8月分は前月比▲22.7%と7月分の同+49.9%の大幅増の反動が出たため大型案件があってもマイナスだった。なお前月7月分の大型案件は鉄鋼業の化学機械1件で鉄鋼業の前月比は+75.8%だったが、8月分は反動で前月比▲62.3%と大幅な減少になった。

●機械受注(除船電民需)の7~9月期前期比見通し+5.2%は9月分が前月比▲8.9%で達成可能である。また9月分が前月比0.0%だと7~9月期前期比は+8.5%になる。7~9月期は2009年以降、昨年の下方修正を除き、全て実績が見通しを上回ってきた。

●4~6月期の前期比は熊本地震や円高基調などがあった中で▲9.2%と大きく低下した。7~9月期が1~3月分の水準に戻るには、7~9月期前期比が+10.2%の高い伸び率が必要だが、9月分の前月比が+4.8%で達成できる。

●8月分の製造業の前月比は▲4.0%と3カ月ぶりの減少になった。製造業17業種中、9業種が増加で8業種が減少だった。7~9月期前期比見通し+14.2%達成には9月分が前月比+22.9%必要だが、9月分が前月比0.0%だと7~9月期前期比は+6.2%の増加になる。

●8月分の非製造業(除船電民需)の前月比は▲1.9%と3カ月ぶりの減少になった。非製造業全体では前月比は+1.4%の増加になった。電力業の前月比は6月分▲31.5%、7月分▲20.0%と2カ月連続の大幅減少になったあと、8月分では+21.3%の大幅増加に転じた。非製造業12業種中、7業種が増加で5業種が減少となった。

●非製造業(除船電民需)の7~9月期前期比見通し▲1.5%達成には9月分が前月比▲27.9%でよく、9月分が前月比0.0%だと7~9月期前期比は+8.5%の増加になる。

●8月分の機械受注全体の大型案件は4件で、7月分の機械受注全体の大型案件の4件と同じだった。除船電民需以外は外需で2件だったという。内容は鉄道車両と航空機だった。

●8月分の外需の前月比は+6.8%で2カ月ぶりの増加になった。7~9月期前期比見通し+1.8%達成には9月分で前月比+26.1%が必要だ。9月分が前月比0.0%だと7~9月期前期比は▲6.5%の減少になる。7~9月期実績では外需は2四半期ぶりの前期比マイナスになりそうだ。

●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注の8月分前月比は▲3.3%と3カ月ぶりに減少した。一方、8月分前年同月比は+5.7%と13カ月連続で増加した。1年超にわたり前年同月比が増加し続けたことは、足元の中小企業の機械の設備投資が底堅いことを裏付けていよう。8月分有効求人倍率が1.37倍と高水準で雇用環境が良い中、人手不足対策の設備投資も出やすい環境だ。NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」の期間平均視聴率が23.5%と今世紀最高になったあと、「とと姉ちゃん」の期間平均視聴率は22.8%で今世紀3番目の高視聴率だった。また「ファミリア」の創業者のひとりをモデルにした新しい朝ドラ「べっぴんさん」の初回10月3日の視聴率は21.6%で「あさが来た」の初回21.2%を上回った。前向きな経営者を応援する風潮が、中小企業の設備投資を後押しすることを期待したい。

●内閣府の基調判断は、16年5月分で「機械受注は、足踏みがみられる」へと8カ月ぶりに下方修正となった。6月分も「機械受注は、足踏みがみられる」で判断据え置きになった。しかし、前回7月分では内容がしっかりしていることを受けて「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」になった。3カ月ぶりに「持ち直し」の表現が使われた。基調判断の上方修正は15年10月分以来9カ月ぶりであった。今回8月分でも基調判断は据え置かれ「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」になった。

●8月分景気動向指数・改定値では、先行CIに新たに加わる実質機械受注(製造業)の前月差寄与度は▲0.14程度とマイナス寄与になるとみた。在庫率関連データなどが確報値段階でどのようにリバイスされるかにもよるが、先行CI・改定値の前月差は+1.1程度と速報値の+1.2から下方修正となろう。また、先行DIでは実質機械受注(製造業)の符号がプラス符号になるとみて、50.0%程度と速報値の44.4%から、景気分岐点の水準まで上方修正になると予測する。