2016年5月分景気動向指数(速報値)

2016年7月7日

先行CI前月差0.0で横這い、一致CI前月差▲1.5と3カ月ぶり下降
5月分の基調判断、13カ月も連続して「足踏みを示している」
-6月分速報値で基調判断が「改善」に上方修正されるポジティブ・サプライズの可能性は残る-

●5月分の景気動向指数・速報値では、先行CIは前月差0.0と横這いとなった。5月分の先行CIの指数水準は100.0となった。

●一致CIは前月差▲1.5と3カ月ぶりの下降になった。5月分の一致CIの指数水準は110.5である。東日本大震災発生時のボトムで直近のボトムである11年4月分の96.6よりは13.9ポイント高い水準だが、直近のピークである14年3月分の116.2よりは5.7ポイント低い水準だ。

●一致CIの3カ月後方移動平均の前月差は+0.17と2カ月連続の上昇となった。7カ月後方移動平均の前月差は▲0.33と2カ月ぶりの下降となった。

●一致CIを使った景気の基調判断は、今回5月分でも、景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す「足踏みを示している」で、13カ月連続で同じ判断となった。

●最近の一致CIを使った景気の基調判断をみると、14年12月分で、「改善を示している。ただし、基調判断に用いている3カ月後方移動平均のこのところの変化幅は、大きいものではない」に「下方への局面変化」から上方修正された。「下方への局面変化」から「改善を示している」に戻るのは異例のパスということだった。15年1月分で、但し書きは消えて、「改善を示している」という判断継続になった。15年2月分~4月分でも、「改善を示している」という判断継続になったが、5月分で景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す「足踏みを示している」に下方修正され、15年6月分~16年5月分でも判断据え置きで、1年超もの間、同じ判断となった。

●5月分改定値次第の面があるが、8月5日に発表される6月分速報値では、基調判断が景気拡張の可能性が高いことを示す「改善」に戻る可能性が十分ありそうだ。実現すればポジティブ・サプライズだろう。「改善」に戻るには「当月の前月差の符号がプラス。かつ原則として3カ月以上連続して3カ月後方移動平均が上昇する」ことが必要だ。過去の数字が変わらなければ6月分の前月差が+0.1以上で3カ月後方移動平均が3カ月連続の上昇となり基調判断が上方修正される。英国の国民投票の結果判明は日本時間6月24日なので、6月分の経済指標が円高進展などで大幅に悪化している可能性は低いだろう。

●一方、次回6月分で「下方への局面変化」に悪化するには、「当月の前月差の符号がマイナス。かつ7カ月後方移動平均(前月差)の符号がマイナスに変化し、マイナス幅(1カ月、2カ月、または3カ月の累積)が1標準偏差分(0.84)以上」であることが必要だ。6月分の一致CI前月差が▲2.6ポイントの大幅な下降幅になると、6月分の7カ月後方移動平均前月差の2カ月の累積が▲0.84になり、1標準偏差分(0.84)以上下方に振れることになる。しかし、一致指数・第一系列の鉱工業生産指数は、経済産業省算出の5月分先行き試算値前月比・最頻値が+0.5%、90%の確率に収まる範囲で▲0.5%~+1.5%になる見通しだ。それから判断すると、一致CIの前月差が▲2.6下降し、「下方への局面変化」に悪化する可能性はほとんどないだろう。

●今回5月分速報値では先行DIは66.7%と11カ月ぶりに景気判断の分岐点である50%を上回った。また、一致DIは62.5%とこちらは7カ月ぶりに景気判断の分岐点である50%を上回った。DIでみると5月分は明るい内容となった。

●5月分景気動向指数・改定値では、先行CIに新たに加わる実質機械受注(製造業)の前月差寄与度は+0.04程度になると予測する。指標発表日は7月11日である。在庫率関連データなどが確報値段階でどのようにリバイスされるかにもよるが、先行CI・改定値の前月差は0.0程度と速報値の0.0と同程度になるとみた。また、先行DIでは実質機械受注(製造業)の符号がプラス符号になるとみて、70.0%程度と速報値の66.7%から上方修正になると予測する。

●5月分景気動向指数・改定値では、一致CIは所定外労働時間指数が新たに加わる。所定外労働時間指数を前月差▲0.28程度のマイナス寄与と予測した。指標発表日は7月22日(速報値は7月8日)である。一致CI前月差は▲1.7程度と速報値の▲1.5から下方修正となろう。また、一致DIでは所定外労働時間指数がマイナス符号で加わることになるため、他の指標の符号が不変なら、55.6%程度と景気判断の分岐点である50%超は維持するものの、速報値の62.5%から下方修正になると予測する。

●6月分の先行CIの採用系列で、現時点で数値が判明しているのは、消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列である。このうち消費者態度指数、中小企業売上げ見通しDIの2系列が前月差プラス寄与に、日経商品指数、東証株価指数の2系列が前月差マイナス寄与になることが判明している。4系列の前月差寄与度を合計すると+0.14程度の上昇になっている。

●また、6月分の先行DIでは、数値が判明している4系列のうち、消費者態度指数、日経商品指数、中小企業売上げ見通しDIの3系列がプラス符号に、東証株価指数1系列がマイナス符号になることが判明している。このため、6月分先行DI速報値は、33.3%以上88.9%以下が確定している。