2016年4月分機械受注

2016年6月9日

熊本地震発生月の4月分機械受注(除船電民需)前月比▲11.0%と2カ月ぶり減少 -
-機械受注(製造業)は4月分景気動向指数CI・DIの下方修正要因に-
-4~6月期前期比見通し(3月末時点:熊本地震考慮せず)は▲3.5%-
-4~6月期前期比見通し達成に5・6月分各前月比+8.0%必要。実績は下振れも-

●4月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は▲11.0%と2カ月ぶりの減少になった。筆者の予想▲10.8%に近い数字であった。2014年5月分の▲15.3%以来の前月比の落ち込みであるという。大型案件は3月分では期末ということで4件あったが、4月分は1件で2月分と同数に戻った。

●4月分機械受注(除船電民需)の大型案件は、金融保険業で電子計算機1件だった。

●4月分の製造業の前月比は▲13.3%と2カ月ぶりの減少になった。製造業17業種中、8業種が増加で9業種が減少だった。

●4月分の非製造業(除船電民需)の前月比は▲3.9%と2カ月連続の減少になった。非製造業全体では前月比は▲24.4%で2カ月連続の減少になった。電力業では大型案件が、3月分では火水力原動機3件、原子力原動機1件の計4件あったが、4月分は火水力原動機1件だった。非製造業12業種中、3業種が増加で9業種が減少となった。

●3月分の機械受注全体の大型案件は23件で8770億円だったが、4月分の機械受注全体の大型案件は4件で650億円。民需以外は外需で2件だったという。内容は航空機2件だった。

●4月分の外需の前月比は▲6.9%で3カ月ぶりの減少となった。なお、5・6月分がともに前月比0.0%でも4~6月期の前期比は+11.3%になり、4~6月期見通しの+3.4%を上回ることになる。

●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注の4月分前月比は▲3.9%と3カ月連続で減少した。しかし、4月分前年同月比は+3.5%と9カ月連続で増加したことは、足元の中小企業の機械の設備投資が底堅いことを裏付けていよう。昨年末放送の「下町ロケット」とNHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」が連続してドラマアカデミー賞最優秀作品賞を受賞したことや、「あさが来た」の平均視聴率が23.5%で、2002年度前期放送の「さくら」の23.3%を抜いて今世紀最高を更新したこと、後番組の「とと姉ちゃん」の視聴率が引き続き高いことなどと整合的だ。前向きな経営者を応援する風潮が、中小企業の設備投資を後押しすることを期待したい。

●内閣府の基調判断は、15年7月分では「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」に8カ月ぶりに下方修正された。さらに8月分では「機械受注は、足踏みがみられる」へと連続して下方修正となった。8月には中国発世界同時株安など企業心理を冷え込ませる状況が生じたからだ。9月分では判断据え置きだったが、10月分では「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」に判断が上方修正された。11月分では「機械受注は、持ち直しの動きがみられるものの、11月の実績は大きく減少した」となったが、これは機械受注(除船電民需)前月比が▲14.4%(当初)と2ケタの大幅な減少率なので、言及せざるをえなかったのだろう。12月分・1月分・2月分・3月分では「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」で判断据え置きとなった。今回4月分では「機械受注は、持ち直しの動きがみられるものの、4月の実績は大きく減少した」と11月分と同じ表現になったものの、持ち直しに重点が置かれていて、実質的に7カ月連続の判断据え置きになった。

●4~6月期の機械受注(除船電民需)の前期比見通しは▲3.5%である。これを達成するには、5・6月分が各々+8.0%ずつ伸びる必要がある。ハードルが高い感じがするので、実際はやや下振れしそうだ。

●過去の受注計上分の大きな案件のキャンセルは、4月分ではなかったということだ。

●4月分景気動向指数・CI改定値で新たに改定値から加わる系列として、先行系列では実質機械受注(製造業)がある。実質機械受注(製造業)の前月差寄与度は▲0.53程度と大幅なマイナス寄与になると予測する。先行CI・改定値の前月差は0.8程度と速報値の+1.4から下方修正になるとみた。また、先行DIでは実質機械受注(製造業)の符号がマイナス符号で加わるので、50.0%程度と速報値の55.6%から下方修正になると予測する。10カ月ぶりの景気分岐点50%超えは一時的なものとなってしまおう。