11月分機械受注について

2016年1月14日

― 11月機械受注(除船電民需)前月の反動で前月比▲14.4%と3カ月ぶり減少 ―
― 但し、12月分前月比ゼロなら10~12月期の前期比+2.9%で、見通し達成に ―
―内閣府判断「機械受注は、持ち直しの動きがみられるものの、11月の実績は大きく減少した」―

●11月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は▲14.4%と3カ月ぶりの減少になった。2ケタの大幅な減少率なので、内閣府の基調判断でも言及せざるをえなかったのだろう。但し、前年同月比は+1.2%と2カ月連続増加で底堅さを示した。

●機械受注(除船電民需)の大型案件は10月分ではゼロだったが、今回11月分では化学工業の化学機械が1件あったということだ。

●10月分では、鉄道車両が前年同月比+206.2%と高い伸び率になっている。機械受注(除船電民需)の前年同月比に対する寄与度は+7.1%と大きい。さらに、鉄道車両を除いても機械受注(除船電民需)前年同月比は+3.2%のプラスになるのでしっかりしていた。11月分ではこの反動が出たとみられる。

●機械受注の除船電民需以外の大型案件は全部で4件だったという。内訳をみると、非製造業の運輸業・郵便業で船舶2件の大型案件があった。また外需では発動機1件、船舶1件の合計2件大型案件があったということだ。

●11月分の製造業の前月比は▲10.2%と2カ月ぶりの減少になった。製造業15業種中、5業種が増加で10業種が減少だった。

●11月分の非製造業(除船電民需)の前月比は▲18.0%と3カ月ぶりの減少になった。非製造業全体では、前月比は▲28.2%と3カ月ぶりの減少である。10月分で前月比+204.1%の電力業が入ると反動による減少率も大幅になる。非製造業12業種中、4業種が増加で8業種が減少となった。

●10~12月期の機械受注(除船電民需)の見通しは前期比+2.9%の増加である。この見通しを達成するには、12月分前月比0.0%で達成できる。実績は2四半期ぶりの増加になる可能性は大きいとみられる。

●11月分の外需は、10月分が前月比+41.6%の大幅増加だった反動で、前月比▲25.0%となった。10~12月期見通しは前期比▲1.9%の減少だが、12月分が前月比横ばいでも前期比+9.0%になる。前期比0.0%になるためには、12月分の前月比が▲27.6%にならなければならない。10~12月期実績は増加になる可能性が大きいように思われる。年明け以降の世界の株式市場の下落傾向などから、12月分と同時発表される1~3月期の見通しが注目される。

●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注の11月分前月比は+3.5%と2カ月ぶりの増加になった。10~12月期見通しは+1.8%の増加だが、12月分が前月比0.0%でも前期比+6.0%になる。実績が3四半期連続の増加になれば中小企業の機械の設備投資が底堅さの裏付けとなろう。

●10~12月期の連続ドラマで視聴率(ビデオリサーチ関東地区)が初めて20%を超えたのは11月15日放送「下町ロケット」の20.2%だった。素晴らしい技術を持った中小企業の部品を使った純国産ロケットの打ち上げが成功した回だ。ガウディ計画編の12月6日放送分で20.4%と視聴率を更新し、12月20日放送の最終回で22.3%と2015年の民放ドラマの最高視聴率を記録した。様々な困難を乗り越えた中小企業にエールを送りながらテレビを見ていた視聴者が多いと思われる。

●NHKの朝の連続テレビ小説では、初の幕末スタートとなった明治期の女性経営者を主人公とする「あさが来た」の視聴率が第3週以降第8週まで毎週最高視聴率を更新し、第10週の12月4日には27.2%を記録した。13年9月16日の「あまちゃん」の最高視聴率27.0%を超える数字だ。「下町ロケット」「あさが来た」のヒットは中小企業の経営者が困難を乗り越え頑張る姿を応援する、世の中の風潮を示唆していよう。中小企業の設備投資にも好影響を与えていることを期待したい。

●内閣府の基調判断は、15年7月分では「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」に8カ月ぶりに下方修正された。さらに8月分では「機械受注は、足踏みがみられる」へと連続して下方修正となった。8月には中国発世界同時株安など企業心理を冷え込ませる状況が生じたからだ。9月分では判断据え置きだったが、前回10月分では「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」に判断が上方修正された。今回11月分では「機械受注は、持ち直しの動きがみられるものの、11月の実績は大きく減少した」となったが、これは機械受注(除船電民需)前月比が▲14.4%と2ケタの大幅な減少率なので、言及せざるをえなかったのだろう。

●11月分景気動向指数・CI改定値で新たに改定値から加わる系列として、先行系列では実質機械受注(製造業)がある。前月差寄与度は▲0.41程度のマイナス寄与になるとみる。在庫率関連データなどが確報値段階でどのようにリバイスされるかにもよるが、先行CI・改定値の前月差は▲0.5程度の下降と速報値の▲0.3から下方修正になるとみた。また、先行DIでは実質機械受注(製造業)がマイナス符号で加わり、40.0%程度と速報値の44.4%から下方修正になると予測する。