ホームマーケット経済指標解説15年7~9月期実質GDP(第1次速報値)予測

15年7〜9⽉期実質GDP(第1次速報値)予測

2015年10月30日

●11月16日に発表される7~9月期第1次速報値では、実質GDP成長率は前期比0.0%程度、前期比年率+0.1%程度を予測する。ESPフォーキャスト調査10月調査の予測平均値前期比年率+0.55%をやや下回る結果になるのではないかとみた。

●7~9月期実質GDP第1次速報値では内需は前期比+0.1%程度のプラス寄与度を予測する。個人消費は前期比+0.5%程度と猛暑効果や賃金・賞与の増加効果などで4~6月期のマイナスの前期比からプラスに転じるとみた。設備投資では、ソフトウエア関連はしっかりしていようが、第1次速報値段階で使用する供給サイドの資本財関連のデータからみて前期比▲0.0%程度と微減とみた。住宅投資は3四半期ぶりの減少となろう。民間在庫投資は前期比かなりマイナス寄与になるとみた。

●外需は、輸出が2四半期ぶりに前期比増加するが、輸入の前期比も2四半期ぶりに増加し、伸び率が輸出より大きいため、外需の前期比寄与度は▲0.1%程度と3四半期連続マイナス寄与になるとみた。

●個人消費の供給サイドの関連データである耐久消費財出荷指数の7~9月期前期比は+1.9%の増加になった。同じく供給サイドの関連データである非耐久消費財出荷指数は同▲0.3%の減少だ。同じく供給サイドの関連データである商業動態統計・小売業販売指数の7~9月期前期比は+1.8%の増加になった。一方、需要サイドの関連データでは、家計調査・二人以上世帯・実質消費支出(除く住居等)の7~9月期前期比は+0.4%の増加だ。10月30日朝発表の9月分が前月比▲1.8%と弱かったことで、7~9月期の前期比が期待されたほど強くならなかった。乗用車販売台数の7~9月期前期比は+2.5%の増加になった。GDP統計の実質個人消費と関連性が高い消費総合指数(月次ベースの)7~8月平均の対4~6月平均比は+0.5%の増加だ。雇用・所得環境が緩やかに改善している中、関連データから総合的に考えると、7~9月期第1次速報値の個人消費は、前期比で+0.5%程度の伸び率になると予測した。

●設備投資の関連データである資本財出荷指数の7~9月期前期比は▲0.4%の減少になった。資本財(除.輸送機械)は同▲2.0%の減少になった。また、建設財は同▲0.3%の減少になった。一方、ソフトウエア開発・プログラム作成の売上高前年比は4~6月期は+3.1%だったが、7月分+6.1%、8月分+4.7%と伸び率を高めている。総合的に考えると、最終的に供給サイドから推計される7~9月期の実質設備投資・前期比は▲0.0%程度の微減とみた。

●住宅投資は前期比▲0.6%程度と、3四半期ぶりの減少と予測した。

●在庫投資の前期比寄与度は▲0.3%程度とみた。ARIMAモデルにより内閣府が算出・公表した、7~9月期の原材料在庫の季調済実質値前期差は▲8,011億円、仕掛品在庫の季調済実質値前期差は+268億円である。鉱工業在庫指数の前期比は4~6月期は+1.1%とプラスだったが、7~9月期は▲1.0%とマイナスに転じたことなどを考慮した。

●公共投資は、前期比+1.5%程度とみた。

●実質輸出入の動向をみると輸出の7~9月期の前期比は+0.2%の増加になった。輸入は同+2.6%の増加になっている。7~9月期のモノだけでみると外需はマイナス寄与になりそうだ。サービス面を考慮しても、7~9月期の外需の前期比寄与度は前期比▲0.1%程度とマイナス寄与になると予測する。