9月分全国消費者物価指数について

2015年10月30日

―コア指数前年同月比は▲0.1%、2カ月連続の下落―
―コアコア指数前年同月比は+0.9%、17年1カ月ぶりの24カ月連続上昇―

●9月分の全国消費者物価指数・総合指数は2010年を100とした指数が、103.9となり、前月比は+0.1%上昇した。総合指数の前年同月比は0.0%となった。前年同月比上昇は28カ月ぶりに途切れた。

●生鮮食品の前年同月比は+3.6%の上昇だった。8月分の+7.6%の上昇から伸び率が鈍化したので、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.16%となった。また、エネルギー全体の前年同月比は▲12.1%下落した。8月分は▲10.5%の下落だった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.14%の押下げ要因になった。

●ガソリンの前年同月比は昨年12月分で▲2.5%の下落と19カ月ぶりの下落となった後、前回の8月分では▲17.8%に、今回の9月分では▲19.5%になった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.04%だった。総合指数の前年同月比の下落に寄与した。灯油の前年同月比は昨年12月分で▲3.4%の下落と28カ月ぶりの下落となった後、8月分では▲23.0%、9月分では▲25.1%になった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.01%だった。電気代の前年同月比は▲6.5%で、8月分の▲5.1%から下落率が拡大した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.05%と押し下げ要因だった。都市ガス代の前年同月比は▲12.4%と、こちらも8月分の▲9.5%から下落率が拡大した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.03%だった。

●テレビやパソコン、エアコンといった教養娯楽用耐久財は9月分では前年同月比+11.1%と8月分の+5.4%から上昇率が拡大した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.06%だった。そのうちテレビは8月分の前年同月比+8.7%から9月分は+18.2%となった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.06%だった。また、家庭用耐久財は全体で前年同月比+3.5%で、8月分の前年同月比+2.0%から上昇率が拡大した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.01%だった。これらは脱デフレの動きが着実に進んでいる品目だろう。

●9月分の宿泊料は前年同月比+3.4%で、8月分の前年同月比+4.5%から上昇率が縮小した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.02%だった。8月分は前年同月比▲2.2%の下落だった外国パック旅行は、9月分では同+1.2%と上昇に転じた。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.02%だった。

●全国消費者物価指数・総合指数・前年同月比に対する財とサービスの8月分から9月分への寄与度差をみると、財は▲0.18%。サービスの総合指数・前年同月比に対する寄与度差は0.00%であった。サービスの上昇が一服したかたちだ。

●9月分の生鮮食品を除く総合指数は2010年を100とした指数は103.4で、前月比0.0%と横這いだった。前年同月比は▲0.1%になった。前年同月比は8月分で28カ月ぶりにマイナスに転じ、9月分も2カ月連続で低下となった。

●9月分の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は101.6となり、前月比+0.1%の上昇、また前年同月比は+0.9%の上昇となった。8月分の+0.8%から伸び率が高まった。前年同月比は24カ月連続上昇した。24カ月連続前年同月比がプラスになったのは98年8月まで長期にわたって連続で上昇していた時以来で、17年1カ月ぶりである。

●総合指数の季節調整済み指数は9月分が103.6で前月比▲0.2%の低下。生鮮食品を除く総合指数の季節調整済み指数は9月分が103.2でこちらは前月比▲0.1%の低下。2月分以来7カ月ぶりの低下となった。食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数の季節調整済み指数9月分は101.5で前月比+0.1%の上昇になった。1月分の100.6を直近のボトムとしてこちらは着実に緩やかな上昇基調を続けている。

●ESPフォーキャスト調査・10月調査によると、全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同期比の予測平均値は、15年7~9月期▲0.10%と、ここで伸び率は弱含むというのが平均的な見通しである。その後前年同期比の予測平均値は上昇に転じ、10~12月期は+0.10%、16年1~3月期は+0.59%と上昇していく見込み。15年度の上昇率は+0.17%。16年度の上昇率は+1.01%だ。なお、原油価格(WTI)の予測平均値は15年51.22ドル/バレル、円相場の予測平均値は15年度1ドル=122円07銭となっている。

●物価上昇率を決める主因の需給ギャップ(GDPギャップ)は内閣府の試算で15年4~6月期は▲1.6%と、15年1~3月期の▲1.2%からマイナス幅がやや拡大した。15年7~9月期での需給ギャップ改善は微妙かもしれないが、10~12月期以降は潜在成長率を上回る成長になると思われ、需給ギャップの改善が見込まれる。先行きの消費者物価指数の前年同月比の上昇要因になると思われる。

10月分の暫定的予測

●10月分の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は、9月分の0.0%から上昇し、+0.1%程度の伸び率になると予測する。2カ月ぶりに前年同月比がプラスに戻ろう。前月比は+0.1%程度とみる。

●10月分の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は▲0.1%程度と、8月分・9月分の同▲0.1%と同程度のマイナス幅が続くと予測する。前月比は+0.1%程度になろう。

●また、10月分の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+0.8%程度と9月分の同+0.9%から伸び率が鈍化すると予測する。但し、前年同月比は98年8月までの連続上昇以来、17年2カ月ぶりの25カ月連続プラスになりそうだ。前月比は+0.1%程度になろう。

●関連データである10月分の東京都区部消費者物価指数(速報)では、総合の前年同月比は+0.1%と9月分の▲0.1%の下落から2カ月ぶりの上昇に転じた。9月分で+1.2%だった生鮮食品の前年同月比は+9.4%と大幅に上昇した。生鮮食品の総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.30%になり前年同月比の上昇要因になった。エネルギー全体の前年同月比は▲13.1%で8月分の下落率と同じ数字だ。但し、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.01%ということだ。一方、10月分ではテレビの前年同月比は+21.0%で9月分同+29.9%から上昇率が鈍化した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.03%になり前年同月比の押し下げ要因になった。10月分の宿泊料は前年同月比+2.4%で、9月分の前年同月比+3.4%から伸び率がやや鈍化した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.01%になった。10月分の消費者物価指数・総合の東京都区部(速報)の前月比は+0.1%の上昇だった。一方、大阪市の総合10月分前年同月比は+0.8%と9月分の同+0.2%から伸び率が上昇し、29カ月連続の上昇になった。10月分の前月比は+0.2%だった。

●10月分の生鮮食品を除く総合の前年同月比は、東京都区部(速報)は▲0.2%で9月分と同じ下落率で、4カ月連続の下落になった。10月分の前月比は+0.1%で2カ月ぶりの上昇だった。大阪市の生鮮食品を除く総合の10月分前年同月比は+0.4%で9月分の+0.2%から伸び率が上昇し、30カ月連続の上昇になった。10月分の前月比は+0.3%と高めだった。これは10月に関⻄電力が標準家庭1カ月の電力料金を279円と大幅に値上げし8,070円にしたことが主因だ。6月の本格値上げの際に適用した激変緩和措置が9月で終わったためである。

●東京都区部(速報)の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合の10月分前年同月比は+0.4%で9月分の+0.6%から上昇率が鈍化したが、6カ月連続の上昇になった。10月分の前月比は+0.1%だった。大阪市では10月分の前年同月比は+0.6%と9月分の同+0.9%から伸び率が鈍化した。但し、これで25カ月連続の上昇である。10月分の前月比は0.0%だった。