6月分機械受注について

2015年8月13日

― 6月分機械受注(除船電民需)は前月比▲7.9%と4カ月ぶり減少 ―
― 4~6月分機械受注(除船電民需)は4四半期連続前期比増加 ―
― 内閣府判断は「機械受注は、持ち直している」で判断据え置き ―

●6月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は▲7.9%と4カ月ぶりの減少になった。5月分が予想外の増加だった反動もあり、市場の予想通りに減少となった。5月分で1件大型案件があった鉄鋼業は5月分の前月比+969.4%の大幅増加から一転6月分は同▲90.4%の大幅減少になったが、6月分の水準は3月分・4月分を上回っているので底堅い。一方、機械受注(除船電民需)前年同月比は+16.6%と7カ月連続増加となった。

●機械受注(除船電民需)の大型案件は前回5月分では鉄鋼業で火水力原動機1件があったが、今回6月分ではゼロだった。除船電民需以外では、外需は5月分では発電機1件、その他産業用機械1件、航空機1件、船舶1件の合計4件だったが、6月分では火水力原動機1件、発電機1件、化学機械2件、鉄道車両1件、航空機3件、船舶3件の合計11件に増加した。

●6月分の製造業の前月比は▲14.0%と4カ月ぶりの減少になった。4月分が同+10.5%、5月分が同+9.9%と2カ月連続して約+10%の高い伸び率になった反動である。製造業15業種中、9業種が増加で6業種が減少になった。6月分の非製造業(除船電民需)の前月比は+0.6%と3カ月ぶりの増加になった。非製造業全体では、前月比は+9.5%と3カ月ぶりの増加である。非製造業12業種中、8業種が増加で4業種が減少となった。

●4~6月期の機械受注(除船電民需)の見通しは前期比▲7.4%と大幅な減少であった。この見通しは単純集計値に過去3四半期平均達成率(季節調整済)の100.1%を乗じて求めていた。ただ、単純集計値の数字の実現にとどまると仮定すると前期比は▲7.5%程度の減少になる数字だった。このように当初4~6月期は弱含みが懸念されていたが、4月分・5月分の実績はこうした見方を逆転する内容になり、4~6月期の実績は前期比+2.9%と10.3ポイントも上振れた。4四半期連続の増加で、機械の設備投資が足元から先行きにかけて増加基調になりそうなことを示唆している。

●7~9月期の機械受注(除船電民需)の見通しは前期比+0.3%の微増である。この見通しは単純集計値に過去3四半期平均達成率(季節調整済)104.0%を乗じて求めている。ただ、単純集計値の数字の実現にとどまると仮定すると前期比は▲3.6%程度の減少になってしまう。

●但し7~9月期に関しては実績が見通しから上振れる傾向がある。2009年(平成21年)5月15日に達成率の計算手法に季節調整値を使用するという変更が行われて以降、2009年(平成21年)~14年(平成26年)の6年間では全て「実績」が「見通し」を上回っている。平均で4.9ポイント上回っており、見通し計算のかさ上げ分4.0ポイントを上回っている。このため、予期せぬ景気減速懸念が生じるなどしてキャンセル分が足元の数字から差し引かれるような事態にならなければ、15年(平成27年)も実績が見通しから上振れる傾向が当てはまる可能性があるとみる。

●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注の6月分前月比は+17.3%と2カ月ぶりの増加になった。5月分前月比が▲12.0%と減少だった反動が出ていよう。4~6月期の見通しは+5.9%の増加だったが、実績は下振れ前期比+1.1%の増加にとどまった。7~9月期の見通しは▲2.1%の減少だが、これは過去3四半期平均達成率(季節調整済)が92.6%と低いことが影響しており、実績が2四半期連続の増加になる可能性も十分にあろう。

●6月分の外需は、前月比+20.3%と2カ月連続の増加となった。大幅な増加は大型案件数が5月の4件から6月は11件に増えたことが大きいだろう。4~6月期見通しは前期比▲2.4%と2四半期ぶりの減少が予想されていたが実績は▲5.7%下振れた。7~9月期見通しは前期比+8.0%の増加だが、これは、4~6月期から7~9月期へのゲタが+13.9%あることが大きい。但し、過去3四半期平均達成率(季節調整済)が98.9%と100%を下回っている分単純集計値よりも慎重に見ている面もある。最近、中国の動向など世界経済の見通しが一段と不透明になっていることもあり、実績がどうなるかをしっかり見極めたいところだ。

●内閣府の基調判断は、14年7月分では「機械受注は、一進一退で推移している」であったが、8月分では「機械受注は、緩やかな持ち直しの動きがみられる」と5カ月ぶりの上方修正になり、9月分・10月分では据え置きとなった。11月分では「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」に3カ月ぶりに下方修正されたが、それも一時的で、12月分では「機械受注は、緩やかな持ち直しの動きがみられる」と、2カ月ぶりに上方修正され、8~10月分と同じ判断に戻った。15年1月分・2月分・3月分と「機械受注は、緩やかな持ち直しの動きがみられる」と判断据え置きになっていたが、4月分で「機械受注は、持ち直している」に4カ月ぶりに上方修正され、前回5月分と今回6月分では据え置かれた。

●6月分景気動向指数・CI改定値で新たに改定値から加わる系列として、先行系列では実質機械受注(製造業)がある。前月差寄与度は▲0.61程度のマイナス寄与になるとみる。先行CI・改定値の前月差は+0.8程度の上昇へと速報値の前月差+1.2の上昇から下方修正になるとみる。また、先行DIでは実質機械受注(製造業)がプラス符号で加わり、90.0%程度と速報値の88.9%から上方修正になると予測する。