6月分全国消費者物価指数について

2015年7月31日

―コア前年同月比+0.1%の上昇―
―7月分東京都区部・コア前年同月比▲0.1%に鈍化―

●6月分の全国消費者物価指数・総合指数は2010年を100とした指数が、103.8となり、前月比は▲0.2%下落した。総合指数の前年同月比は+0.4%の上昇となった。5月分の+0.5%から伸び率は鈍化したが、25カ月連続の前年同月比上昇となった。25カ月連続前年同月比がプラスなのは87年6月から94年6月まで85カ月間連続で上昇していた時以来で、21年ぶりのことだ。

●生鮮食品の前年同月比は+7.2%の上昇だった。5月分は+11.0%の上昇だったので、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.16%のマイナスになった。また、エネルギー全体の前年同月比は▲7.0%下落した。5月分は▲6.0%の下落だった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.09%の押下げ要因になった。総合指数の前年同月比では生鮮食品、エネルギーともに下落に寄与した格好だ。

●ガソリンの前年同月比は12月分で▲2.5%の下落と19カ月ぶりの下落となった後、5月分では▲15.2%、今回の6月分では▲14.2%になった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.02%だった。総合指数の前年同月比の上昇に寄与した。灯油の前年同月比は12月分で▲3.4%の下落と28カ月ぶりの下落となった後、5月分では▲21.7%、6月分では▲21.1%になった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は0.00%だった。電気代の前年同月比は▲1.5%で、5月分の上昇率+0.5%の上昇から下落に転じた。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.08%と押し下げ要因だった。都市ガス代の前年同月比は▲3.2%と、5月分の▲0.1%から下落幅が拡大した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.03%だった。

●テレビやパソコン、エアコンといった教養娯楽用耐久財は6月分では前年同月比+0.4%と5月分の▲1.7%の下落から上昇に転じた。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.02%だった。そのうちテレビは5月分の前年同月比▲0.1%から6月分は+3.3%となった。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.02%で教養娯楽用耐久財全体の上昇寄与分のほとんどを説明できる。また、家庭用耐久財は全体で前年同月比+0.6%で、5月分の前年同月比▲1.1%の下落から上昇に転じた。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.02%だった。脱デフレの動きが出てきたかどうか注目される品目だ。

●6月分の宿泊料は前年同月比+3.9%で、5月分の前年同月比+3.4%から伸び率が上昇した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は0.00%だった。一方、5月分は前年同月比+0.2%の上昇だった外国パック旅行は、6月分では同▲4.1%の下落に転じた。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.03%だった。

●全国消費者物価指数・総合指数・前年同月比に対する財とサービスの5月分から6月分への寄与度差をみると、財は▲0.21%。但し、生鮮食品を除く財だと▲0.04%。一方、サービスの総合指数・前年同月比に対する寄与度差は+0.04%であった。

●6月分の生鮮食品を除く総合指数は2010年を100とした指数は103.4で、前月比0.0%と横這い、前年同月比は+0.1%の上昇となった。5月分の+0.1%と同じ伸び率だった。なお、前年同月比は25カ月連続で上昇した。25カ月連続でのプラスは96年4月から98年4月にかけて25カ月連続で上昇して以来17年2カ月ぶりのことである。

●6月分の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は101.1となり、前月比0.0%と横這い、また前年同月比は+0.6%の上昇となった。5月分の+0.4%から伸び率を高めた。前年同月比は21カ月連続上昇した。21カ月連続前年同月比がプラスになったのは98年8月まで長期にわたって連続で上昇していた時以来で、16年10カ月ぶりである。

●総合指数の季節調整済み指数は6月分が103.8で前月比0.0%と横這い。生鮮食品を除く総合指数の季節調整済み指数は6月分が103.3で前月比+0.1%の上昇。2月分の102.9を直近のボトムとして緩やかに上昇してきている。食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数の季節調整済み指数6月分は101.1で前月比+0.2%の上昇になった。

●ESPフォーキャスト調査・7月調査によると、全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同期比の予測平均値は、15年4~6月期+0.07%のあと7~9月期は▲0.01%と、ここまで伸び率は弱含むというのが平均的な見通しである。その後前年同期比の予測平均値は上昇に転じ、10~12月期は+0.39%、16年1~3月期は+0.89%と上昇していく見込み。15年度の上昇率は+0.33%。16年度の上昇率は+1.22%だ。なお、原油価格(WTI)の予測平均値は15年58.49ドル/バレル、円相場の予測平均値は15年度1ドル=123円11銭となっている。

●物価上昇率を決める主因の需給ギャップ(GDPギャップ)は内閣府の試算で15年1~3月期は▲1.6%と、14年10~12月期の▲2.4%からマイナス幅が縮小した。15年4~6月期の実質GDP前期比年率は芳しい伸び率が見込めそうにないので需給ギャップは改善しないとみられるが、7~9月期以降は潜在成長率を上回る成長になると思われ、需給ギャップの改善が見込まれる。先行きの消費者物価指数の前年同月比の上昇要因になると思われる。

7月分の暫定的予測

●7月分の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は、6月分の+0.4%から鈍化し、+0.3%程度の伸び率になると予測する。プラスの伸び率は維持し、87年6月から94年6月まで85カ月間連続で上昇していた時以来、21年1カ月ぶりの26カ月連続の前年同月比プラスになろう。前月比は▲0.1%程度とみる。

●7月分の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は、6月分の+0.1%上昇から下落に転じ▲0.2%程度になると予測する。13年4月分の▲0.4%以来27カ月ぶりの下落になろう。これは季節調整値の指数水準でみると昨年度(14年度)中のレンジが102.9~103.5であったのに対し14年7月分が103.5で一番高い水準であったことの反動といった面も大きい。前月比は▲0.1%程度になろう。

●また、7月分の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合の前年同月比は6月分と同じ+0.6%程度の伸び率になると予測する。前年同月比は98年8月までの連続上昇以来、16年11カ月ぶりの22カ月連続プラスになりそうだ。前月比は+0.1%程度になろう。

●関連データである7月分の東京都区部消費者物価指数では、総合の前年同月比は+0.2%と6月分の+0.3%から0.1ポイント鈍化したが、25カ月連続の上昇になった。6月分で+6.0%だった生鮮食品の前年同月比は+6.3%にやや上昇した。生鮮食品の総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.01%になり前年同月比の若干の押し上げ要因になった。エネルギー全体の前年同月比は▲8.3%となり6月分の▲5.1%から下落率が拡大した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.21%になった。ガソリンは6月分では前年同月比▲13.2%だったが7月分では同▲15.2%と下落率が拡大し、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.02%になった。電気代の前年同月比は▲6.7%で6月分の同▲3.6%から下落率が拡大した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は▲0.11%だった。また、7月分ではテレビの前年同月比は+5.8%、6月分同▲3.7%の下落から上昇に転じ、総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.04%になり前年同月比の押し上げ要因になった。7月分の宿泊料は前年同月比+5.0%で、6月分の前年同月比+3.9%から伸び率が上昇した。総合指数の前年同月比に対する寄与度差は+0.02%になった。7月分の消費者物価指数・総合の東京都区部(速報)の前月比は▲0.2%の減少だった。一方、大阪市の総合7月分前年同月比は+0.6%と6月分と同じ伸び率で、26カ月連続の上昇になった。7月分の前月比は▲0.1%だった。

●7月分の生鮮食品を除く総合の前年同月比は、東京都区部(速報)は▲0.1%で6月分の+0.1%の上昇から27カ月ぶりの下落になった。7月分の前月比は▲0.2%で2カ月連続の下落だった。大阪市の生鮮食品を除く総合の7月分前年同月比は+0.2%で6月分の+0.3%から鈍化したが、27カ月連続の上昇になった。6月分の前月比は▲0.1%だった。

●東京都区部(速報)の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合の7月分前年同月比は+0.3%で6月分の+0.2%から上昇した。3カ月連続の上昇になった。7月分の前月比は0.0%だった。大阪市では7月分の前年同月比は+0.7%と6月分の+0.6%から上昇した。これで22カ月連続の上昇になった。7月分の前月比は+0.1%だった。