3月分景気動向指数(速報値)

2015年5月12日

-先行CI前月差+0.8で3カ月ぶりの上昇、一致CI前月差▲1.2で2カ月連続の下降-
-基調判断「改善を示している」で据え置き-

●3月分景気動向指数・速報値では、先行CIは前月差+0.8と3カ月ぶりの上昇になった。3月分の先行CIの指数水準は105.5だ。なお、今回、先行CI、一致CI、遅行CIは全期間にわたり遡及改訂された。

●一致CIは前月差▲1.2と2カ月連続の下降になった。3月分の一致CIの指数水準は109.5である。東日本大震災発生時のボトムで直近のボトムである11年3月分の96.7よりは12.8ポイント高い水準だが、直近のピークである14年3月分の114.3よりは4.8ポイント低い水準だ。一致CIの3カ月後方移動平均の前月差は▲0.60と7カ月ぶりの下降に、7カ月後方移動平均の前月差は▲0.02と3カ月ぶりの下降になった。

●一致CIを使った景気の基調判断をみると、13年7月分で景気の基調判断が、「上方への局面変化」から景気拡張の可能性が高いことを示す「改善を示している」に上方修正された後、13年8月分~14年3月分では景気の基調判断は一番良い判断の「改善を示している」で据え置きだった。4月分で「足踏みを示している」に下方修正になり、5月分・6月分・7月分でも「足踏みを示している」に据え置きだった。しかし、8月分で「下方への局面変化」に下方修正され、9月分・10月分・11月分と同じ「下方への局面変化」で据え置きだった。12月分で、「改善を示している。ただし、基調判断に用いている3カ月後方移動平均のこのところの変化幅は、大きいものではない」に上方修正された。「改善を示している」に「下方への局面変化」から戻るのは異例のパスということだった。1月分で、但し書きは消えて、「改善を示している」という判断継続になった。前回2月分に続き今回3月分でも、「改善を示している」という判断継続になった。

●恣意性がない機械的な景気の基調判断で、4カ月連続で「改善」が続くことは、人々の景気に関する悲観的な見方を徐々に払拭させる材料と言えよう。

●次回4月分も「改善」となる可能性が大きいと考える。機械的な景気の基調判断が、景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す「足踏み」に下方修正されるには、前月差が下降し、かつ3カ月後方移動平均の符号が変化し、1カ月、2カ月、または3カ月の累積で1標準偏差分(0.98)以上、下方に振れることが必要だ。万一、次回の4月分でこの条件を満たす条件は、一致CIの前月差が下降になることだ。試算してみると、過去の数字が不変として、前月差がゼロの場合、3カ月後方移動平均の前月差は1カ月分で▲1.27、2カ月の累積で▲1.87となり、1標準偏差分(0.98)以上、下方に振れるからだ。しかし、生産指数の類似指標である、製造工業予測指数4月分の前月比は+2.1%の増加見込みであることなどから、一致CIの前月差が下降となる可能性は小さいとみた。

●今回3月分速報値では先行DIは55.6%と3カ月連続で景気判断の分岐点である50%を上回った。また、一致DIは40.0%で7カ月ぶりに景気判断の分岐点である50%を下回るという結果になってしまったが、マイナスになった6系列のうち商業販売額指数・小売業と商業販売額指数・卸売業の2系列は前年同月比なので消費税引き上げ前の駆け込み需要の反動でマイナスになりやすいという面もある。

●3月分景気動向指数・改定値では、一致系列が生産関連指標などの確報値が速報値と変わらないとすると、一致CI・改定値の前月差は▲1.2程度と速報値の前月差▲1.2と同程度になると予測する。また一致DIも速報値の40.0%と同じ40.0%程度になると予測する。

●先行CIでは新たに加わる実質機械受注の前月差寄与度が+0.27程度の寄与になるとみる。在庫率関連データなどが速報値段階と確報値段階とで数字が変わらないと仮定すると、先行CI・改定値の前月差は+1.0程度の上昇と速報値の前月差+0.6の上昇よりも上方修正されると予測する。また、先行DIでは実質機械受注がプラス符号で加わり、60.0%程度と速報値の55.6%から上方修正になると予測する。

●4月分の先行CIの採用系列で、現時点で数値が判明しているのは、日経商品指数、長短金利差、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列である。このうち日経商品指数、東証株価指数の2系列が前月差プラス寄与に、長短金利差、中小企業売上げ見通しDIの2系列がマイナス寄与になることが判明している。残りの5系列次第ではあるが、4月分の先行CI前月差は2カ月連続で上昇する可能性が大きそうだ。

●また、4月分の先行DIでは、現時点で数値が判明している日経商品指数、長短金利差、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列は全てプラス符号になることが判明している。このため4月分先行DI速報値は、44.4%以上100.0%以下が確定している。これから発表される残りの5系列中プラス符号が1系列になれば、4カ月連続して景気判断の分岐点である50%を上回ることになろう。