ホームマーケット経済指標解説14年10~12月期実質GDP(第1次速報値)予測

14年10~12月期実質GDP(第1次速報値)予測

2015年1月30日

●2月16日に発表される10~12月期第1次速報値では、実質GDP成長率は前期比+0.9%程度、前期比年率+3.8%程度と3四半期ぶりのプラス成長を予測する。消費税率引き上げの影響や天候不順などで落ち込んだ4~6月期、7~9月期の減少局面を抜け出したかたちになろう。

●10~12月期実質GDP第1次速報値では内需は前期比+0.6%程度のプラス寄与度を予測する。個人消費は前期比+0.8%程度と7~9月期の+0.4%の増加から伸びを高めると予測する。設備投資も第1次速報値段階で使用する供給サイドのデータからみて資本財中心に増加し前期比プラスの伸び率になろう。住宅投資は消費税引き上げ前の駆け込み需要の反動の落ち込みが一服し前期比微増となろう。政府最終消費支出は前期比で若干の増加、公共投資は前期比で増加となろう。民間在庫投資は前期比若干のマイナス寄与とみた。

●外需は、輸出が2四半期連続で前期比増加し、輸入の前期比も2四半期連続で増加するとみた。輸出の伸び率がしっかりで、外需の前期比寄与度は3四半期連続してプラスになるとみた。

●約6割のウエイトがある最大の需要項目の実質個人消費は、前期比+0.8%程度と予測する。個人消費の供給サイドの関連データである耐久消費財出荷指数の10~12月期前期比は▲0.9%の減少になった。同じく供給サイドの関連データである非耐久消費財出荷指数は同+0.9%の増加だ。一方、需要サイドの関連データでは、家計調査・二人以上世帯・実質消費支出(除く住居等)の10~12月期前期比は+1.7%の増加になった。乗用車販売台数の10~12月期前期比は+10.5%の大幅増加になった。供給サイドと需要サイドのデータは耐久消費財出荷指数を除き増加を示している。さらにGDP統計の実質個人消費と関連性が高い消費総合指数(月次ベース)の10~11月平均の対7~9月平均比は+0.7%の増加である。これから発表される12月分の消費総合指数は前月比若干の増加が見込めよう。総合的に考えると、10~12月期第1次速報値の個人消費は、前期比でそれなりの増加となる可能性が大きいとみた。

●設備投資の関連データである資本財出荷指数の10~12月期前期比は+2.3%の増加になった。資本財(除.輸送機械)は同+3.7%の増加になった。一方、建設財は同▲2.1%の減少になった。総合的に考えると、供給サイドから推計される10~12月期の実質設備投資は前期比+0.4%程度の緩やかな増加となりそうだ。

●住宅投資は前期比+0.1%程度と、3四半期ぶりの増加になろう。昨年9月末までの消費税引き上げ前の駆け込みの反動も一服しよう。先行指数の住宅着工のデータなどを参考に予測した。

●在庫投資の前期比寄与度は▲0.1%程度とみた。ARIMAモデルにより内閣府が7~9月期GDP第2次速報値公表時点での情報を使って算出・公表した、10~12月期の原材料在庫・仕掛品在庫の季調済実質値前期差は、▲2773億円である。鉱工業在庫指数の前期比は7~9月期+1.1%のあと、10~12月期は+0.2%であることなども考慮した。

●公共投資は、前期比+2.8%程度とみた3四半期連続の増加になろう。

●日銀が公表している実質輸出入の動向をみると、輸出の10~12月期前期比は+4.8%の大幅増加になった。輸入は同+1.1%の増加になっている。10~12月期の外需の前期比寄与度は3四半期連続で前期比プラス寄与になりそうだ。サービスも含めた外需全体の前期比寄与度は+0.4%程度になるとみた。3四半期連続の前期比プラス寄与になろう。