【Vol.229】現金のままで置いておくと「価値が目減り」するってどういうことですか?
2025年4月3日
お金を現金のままで置いておくと自然には増えないため、物価上昇が続く局面では、従前と同じようにモノやサー
ビスと交換することができなくなることを指します 。
◆お金の役割は、主に①価値の保存、②価値の尺度、③モノやサービスとの(交換価値の交換)、の3つといえます。お金は、現金のままで「タンス預金」として置いておくと、自然に増えることはありません 。主な役割のうち③モノやサービスとの交換では、物価が上昇も下落もしない場合、お金の価値は変わらず、一定のモノやサービスと交換することができます。一方で、物価上昇が続くインフレ局面では、運用することでお金を増加させなければ、物価上昇に追いつかず、実質的な「価値が目減り」すると考えられます 。
◆日本では、長らく物価上昇率がプラスとならないデフレが続いてきましたが、コロナ禍からの経済再開を経て、世界的な物価上昇などにより、2022年以降は物価上昇率がプラスに転じ、本格的なインフレ局面となっています。
◆日銀は2013年以降、「2%の『物価安定の目標』を掲げてきましたが、2024年以降は賃上げ機運も高まり、「賃金と物価の好循環」が意識されるようになり、物価目標の継続的な達成が見込まれるようになりました。2024年以降は、マイナス金利政策の解除及び利上げが実施されたことで、預金金利も徐々に上昇し始めました。
◆本格的な「 金利のある世界 」が戻りつつありますが、物価上昇率が預金金利等を大きく上回り、実質金利がマイナスとなっているなかでは、お金の「 価値の目減り 」に対処する必要があります 。
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