【Vol.211】資産運⽤のコツはありますか︖②
2024年7月17日
「相関係数」を参考にしながら、特性の異なる資産を併せて保有する「分散投資」を⾏うと、価格変動のリスクを効率的に低減できると考えられます。
◆なるほどザ・ファンドVol.203「資産運⽤のコツはありますか︖①」では「分散投資」を資産運⽤のコツの1つとしてご紹介しました。これは、「卵は⼀つの籠に盛るな」のフレーズにみるように、特定の資産・商品だけに投資するのではなく、複数の資産・商品に投資して、リスクを分散させるという考え⽅でした。すなわち、「分散投資」を特性の異なる複数の資産で⾏うと、それぞれの資産が異なる値動きをすることで、価格変動が⼤きな資産のみに投資する場合よりも、価格変動のリスクを低減することができるという考え⽅です。
◆2つの資産の値動きに連動性があるかどうかは「相関係数」をみると分かります。「相関係数」は、プラス1からマイナス1の範囲で表され、0は各資産の値動きには全く連動性が無いことを表しています。また、「相関係数」がプラスであれば、資産どうしには正の連動性(相関)があり、プラス1に近いほど連動性が強く、プラス1は全く同じ値動きをすると考えられます。⼀⽅、「相関係数」がマイナスならば、資産どうしは逆⽅向の値動きをするといえ、マイナス1は資産どうしが全く逆の値動きをすることを⽰しています。⼀般に、プラス0.2〜マイナス0.2の間では相関は弱く、プラス0.7以上では強い正の相関があるとされます。

※上記は過去の実績および将来の予想であり、今後の市場環境等を⽰唆あるいは保証するものではありません。
◆「相関係数」を考慮して「分散投資」を⾏うと、価格変動のリスクを効率的に低減できると考えられます。例えば⽇本国債は、⽇銀がマイナス⾦利政策をはじめとして⻑らく⼤規模な⾦融緩和政策を⾏ってきたことから、その他の資産との相関がかなり弱くなっているものの、⽇本株式との「相関係数」は-0.24と、若⼲の負の相関がみられ、逆の値動きをすると考えられます。また、外国株式と外国国債は、ともに⽶ドル円レートの影響により0.58とやや強めの相関がみられる⼀⽅、⽇本株式と外国国債との「相関係数」は0.26と相関の程度は弱くなっています。これは債券と株式の特性の違いによると考えられます。(債券と株式の⼀般的な特性については下記をご参照ください。)
◆また、それぞれの国・地域の経済情勢や⾦利・為替動向の違いによっても、資産は異なった値動きとなりやすく、異なる国・地域に投資する「国際分散投資」もリスクを抑制する有効な⼿法と考えられます。

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