ホームマーケットなるほど!ザ・ファンド【Vol.182】最新の世界経済の成長見通しはどうなっていますか?

【Vol.182】最新の世界経済の成長見通しはどうなっていますか?

2023年10月25日

IMFによると2023年は+3.0%、2024年は+2.9%の成長が見込まれています。米国や日本等の見通しは上方修正、欧州や中国等は下方修正されました。

◆国際通貨基金(IMF)が2023年10月に公表した世界経済見通しによると、世界全体の経済成長率は、2023年は+3.0%、2024年は+2.9%と、2022年の+3.5%から減速すると見込まれています。先進国では、2023年に成長率が落ち込み、2024年もやや減速しますが、新興国・発展途上国では同程度の成長が続き、世界経済全体を下支えする格好です。

◆先進国では、米国は2023年、2024年ともに上方修正されました。これまでの急速な利上げに対し、景気後退が見込まれていた時期もありましたが、米景気は想定されていたよりも強く、底堅いものとなっています。ただし、2024年は減速すると見込まれています。また、日本は2023年が+0.6ポイント引き上げられました。コロナ禍で落ち込んだ需要の回復や、外国人観光客の急増、緩和的な政策が上方修正の主因です。一方、ユーロ圏は2023年、2024年ともに成長見通しが引き下げられました。


◆新興・発展途上国では、中国は不動産危機の影響などから2023年、2024年ともに成長見通しが引き下げられました。一方、インドは消費が強く2023年は上方修正され、2024年以降も同程度の高い成長が続くと見込まれています。

◆今後のリスクとしては、①中国の不動産危機の深刻化、②地政学的な緊張の高まりとそれに伴う資源価格の上昇、③依然として高すぎるインフレなどが挙げられています。

◆世界的にインフレ率は減速しているものの、各国・地域が目標とする水準まで低下するにはなお時間を要するとみられ、金利が高い状態が続くと見込まれることから、米国など世界経済の成長は当面抑制されるとみられます。

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