世界最大の自動車市場の中国で、「新エネルギー車」化が加速【アジア・オセアニア豆知識】
2017年11月16日
フランスと英国で、いわゆるガソリン車の販売を2040年までに禁止するという方針を打ち出したのに続き、世界最大の自動車市場である中国でも、政府が「新エネルギー車」を一定割合で生産・販売するよう義務付ける新規制を公表しました。地球温暖化の抑制につながるとの期待が高まる中、世界の自動車市場が電気自動車時代に本格突入する可能性が出てきました。
深刻な環境汚染を背景に「新エネルギー車」の導入を加速
中国政府は今年9月、自動車メーカー各社に2019年以降、「新エネルギー車」を一定割合で生産・販売するよう義務付ける新規制を公表しました。「新エネルギー車」とは、いわゆる電気自動車で、バッテリー電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)が該当します。
深刻な環境汚染を背景に、中国政府は以前から、新エネルギー車の導入を加速させていますが、今回は「新エネルギー車」への転換を強制的に促して、その解決を目指すものとみられます。
世界の自動車市場で電気自動車時代に本格突入
OECD(経済協力開発機構)によると、2016年の世界の電気自動車販売台数は、初めて200万台を突破しました。うち、販売台数が多いのが米国と中国で、2ヵ国の販売台数は世界の60%を占めました。
中国は今年4月に、年間の生産・販売台数に占める「新エネルギー車」の割合を2025年に20%とする目標を設定しています。 2025年の生産目標が約3,500万台に設定されていることを踏まえると、同年に700万台の新エネルギー車の生産達成を目指している とみられます。すでに世界最大の自動車市場となっている中国において、「新エネルギー車」化が加速することで、世界の自動車市場が電気自動車時代に本格突入する可能性が出てきました。