中国、産業の高度化時代の幕開け【アジア・オセアニア豆知識】

2018年1月11日

労働集約型産業を主体とする成長モデルからの脱却をめざす中国政府は、AI（人工知能）関連産業を今後の経済成長を牽引するものと重視し、近年その振興策を次々と打ち出しています。2017年には、 中国のAI産業を2030年に世界トップ水準に向上させる野心的な国家戦略を発表 しており、中国においてAIの技術開発・市場開拓が加速していくものとみられます。

AI関連産業を今後の経済成長を牽引するものと重視

中国では、スーパーコンピュータの開発において躍進を遂げるなどAI関連分野における実績があるほか、国際競争力を持つ大手インターネット企業を有しています。こうした中、AI関連の振興策が次々と打ち出されるなど、 政府がトップダウン方式で政策運営を進めており、中国におけるAIの技術開発・市場開拓は想定以上のスピードで進む可能性 が考えられます。

中国政府による一連の政策は、中国経済を重厚長大型の古い体質からハイテク産業などの新しい体質に変革させ、経済の質の向上を図っているように見受けられます。今後、中国がAI分野で世界をリードする米国に追いつき、目標とする2030年までに世界トップとなるのか、その動きが注目されます。