ホームマーケット週次・月次市場情報先月のマーケットの振り返り(2016年1月)【マンスリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

先月のマーケットの振り返り(2016年1月)【マンスリー】

2016年2月2日

1.概観

トピックス 主要国の国債利回りは、世界景気の下振れ懸念や日欧での金融緩和拡大を織り込み、低下しました。
世界の株式市場は、世界的な景気下振れや原油安の影響への懸念などから、総じて下落しました。
株式 主要国の株式市場は、前月末比下落となりましたが、月後半、原油価格の反発や日欧の金融緩和拡大などから反発しました。
債券 米国債やドイツ国債は、世界的な株式市場の下落や原油安の進行などにより、リスク回避の動きが強まり、利回りが低下しました。米国、ドイツ、日本など主要国の国債は、29日の日銀の金融緩和の強化を受けて、利回りがさらに低下しました。
為替 円の対米ドル、対ユーロレートは、中旬にかけて、原油安の進行や世界景気の下振れ懸念によりリスク回避の動きが強まり、上昇(円高)しました。
しかし月後半、原油価格の反発や主要国の株式市場の上昇でリスク回避の動きが後退し、円は対米ドルやユーロで下落(円安)に転じました。
商品 原油価格は、中国の景気減速による需要の減少、イランの輸出拡大見通し、米国の輸出解禁による生産増観測を主な要因として下落しました。

(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

2.トピックス

(1)主要国の国債利回りは、世界景気の下振れ懸念や日欧での金融緩和拡大を織り込み、低下しました。

<現状>

欧州は21日の欧州中央銀行(ECB)の理事会で、現行政策の維持が決定されましたが、ドラギ総裁は3月の理事会での追加緩和を示唆しました。米国は26日~27日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決定しました。声明文では、緩やかなペースの利上げと資産規模の維持を表明しました。日銀は、28日~29日の金融政策決定会合で、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定し、金融緩和を強化しました。

<見通し>

米国は、今後も利上げの継続が見込まれるものの、物価の上昇が緩やかと見られることから、利上げペースも緩やかと予想されます。ユーロ圏では、物価が低位で推移し、目標とする2%に近づくには時間がかかると見られることから、追加緩和が見込まれます。日本は、黒田総裁が「必要な場合は追加的な金融緩和措置を講じる」との考えを示しており、金融緩和のさらなる強化も予想されます。日米欧のマネタリーベースは全体として増加傾向が続くと見られ、米国の国債利回りは横ばい圏、ドイツや日本の国債利回りは低位での推移が見込まれます。

(2)世界の株式市場は、世界的な景気下振れや原油安の影響への懸念などから、総じて下落しました。

<現状>

原油価格は、中国の景気減速による需要の減少、イランへの経済制裁解除に伴う同国の輸出拡大見通し、米国の輸出解禁による生産増観測を主な要因として下落しました。20日には、一時2003年以来の安値となる1バレル26ドル台まで下落したものの、その後、ロシアとOPEC(石油輸出国機構)の減産協調観測などから、同33ドル台まで反発しました。主要国の株式市場は、原油安の背景となった中国経済の減速懸念や産油国の財政悪化、原油関連企業の業績下方修正などを嫌気し下落しました。月末にかけては、原油価格の上昇につれ反発しました。

<見通し>

イランの輸出拡大や新興国経済の減速による原油需要の低迷観測が根強く、原油市場は需給緩和が意識される状況が当面続くと見られます。しかし、米国は、石油掘削設備稼働数が減少し、原油の需給は徐々に改善することが期待されます。また、ロシアとOPECなどの原油の減産協調を模索する動きも伝えられ、主要国の株式市場へのマイナスの圧力は徐々に緩和することが期待されます。

3.景気動向

<現状>

米国は、10-12月期の実質GDP成長率が前期比年率+0.7%となり、輸出や設備投資などが減少し、前期の同+2.0%から減速しました。
欧州は、7-9月期の実質GDP成長率が前期比+0.3%と前期から鈍化しましたが、消費が下支えとなり、緩やかな景気回復が持続しています。
日本は、7-9月期の実質GDP成長率が前期比年率+1.0%に改定され、前期のマイナス成長からプラスに転じました。
中国は、10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.8%と前期から鈍化しました。消費は底堅いものの、生産や投資が下振れしました。
豪州は、7-9月期の実質GDP成長率は前期比+0.9%と前期から加速しました。輸出や消費がけん引しました。

<見通し>

米国は、良好な雇用環境を背景にサービス業が概ね好調で、景気は年+2%台半ばの安定した成長が見込まれます。
欧州は、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和や、財政拡大が予想され、消費が主導する緩やかな景気回復が持続する見通しです。
日本は、消費が底堅く、輸出や生産の底打ちもあり、景気の再浮揚が見込まれます。
中国は、年6.5%以上の成長率目標が掲げられ追加緩和や公共投資の下支えにより、景気の大きな下振れは回避されることが期待されます。
豪州は、過去10年の平均成長率(+3%前後)を下回りそうですが、物価が安定し、消費と住宅に支えられ、景気は緩やかに加速しそうです。

4.企業業績と株式

<現状>

米国の主要企業の10-12月期の増益率は前年同期比▲4.0%(トムソン・ロイター調べ、1月29日集計時点)と、エネルギー業種の大幅な減益の影響が残っています。日本の主要企業(東証1部、3月期決算、除く金融)の10-12月期の経常利益は、製造業では原油安進行、中国などの新興国経済の減速などにより下方修正される傾向が目立っていますが、非製造業では比較的堅調さが維持されているようです。

<見通し>

米国企業の予想増益率は、1-3月期にかけて引き続きマイナスが予想されますが、4-6月期以降プラスに転じ、2016年は+4%台半ばの増益が見込まれています。日本の主要企業の2015年度の経常利益は、製造業を中心に下方修正が見込まれていますが増益は維持されそうです。日米ともに原油や資源価格の下落、中国などの新興国経済減速による、業績予想の下方修正などにより、株式市場の変動が大きくなる可能性には注意が必要と見られますが、世界的な景気見通しへの不透明感が和らぎ企業業績見通しへの信頼が高まるにつれ、株式市場は底堅い推移となることが期待されます。

5.金融政策

<現状>

欧州は21日の欧州中央銀行(ECB)の理事会で、現行政策の維持が決定されましたが、ドラギ総裁は3月の理事会での追加緩和を示唆しました。米国は26日~27日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決定しました。声明文では、緩やかなペースの利上げと資産規模の維持を表明しました。日銀は、28日~29日の金融政策決定会合で、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定し、金融緩和を強化しました。

<見通し>

米国は、労働市場の改善が進むと見られ、今後も利上げの継続が見込まれます。ただし、物価の上昇が緩やかと見られることから、利上げペースも緩やかと予想されます。ユーロ圏では、景気は緩やかな回復傾向にあるものの物価が低位で推移し、目標とする2%に近づくには時間がかかると見られることから、追加緩和が見込まれます。日本は、黒田総裁が会見で「必要な場合は追加的な金融緩和措置を講じる」との考えを示しており、金融緩和のさらなる強化も予想されます。米国と日欧で、金融政策の方向性の違いが意識される展開が続くと見られます。

6.債券

<現状>

米国債の利回りは低下しました。原油安の進行や世界的な株式市場の下落により、リスク回避の動きが強まったことが要因です。27日に発表された米連邦市場委員会(FOMC)の声明文がややハト派的な内容だったことも国債の利回り低下を後押ししました。ドイツ国債は、リスク回避の動きの強まりに加えて、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁による追加緩和示唆が材料となり、利回りが低下しました。また29日、日銀の金融政策決定会合の結果が公表され、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入が決定されたことから、米国、ドイツ、日本の国債は、利回りがさらに低下しました。

<見通し>

米国債の利回りは、物価見通しの落ち着きから、今後の利上げペースは緩やかにとどまると見込まれ、国債の利回りは横ばい圏と予想されます。ドイツ国債の利回りは、投資家の格付けの高い国債への需要が底堅いことや、ECBの追加緩和が見込まれることから、低位での推移が予想されます。日本の国債利回りも、強力な金融緩和が継続し、低位での推移が見込まれます。米国など主要国の社債市場は、企業の底堅い業績や慎重な財務運営などを背景に、社債スプレッドは比較的安定的に推移すると見込まれます。

7.為替

<現状>

1月中旬にかけて、原油安や世界景気の下振れ懸念によりリスク回避の動きが強まり、円は対米ドルや対ユーロで上昇しました。円は21日に、一時対米ドルで115円台をつける場面も見られました。しかし月後半、原油価格の反発や主要国の株式市場の上昇でリスク回避の動きが後退し、円は対米ドルやユーロで下落に転じました。29日に日銀が「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定すると、円は対米ドルで121円台まで円安が進みました。ユーロは、米ドルに対して小幅に下落しました。

<見通し>

米ドル円相場は、日米の金融政策の方向性が異なることから、引き続き米ドル高圧力がかかりやすい環境です。しかし、米国の利上げペースは緩やかと見られ、米ドル円相場の方向性に大きな方向感は出ないと見込まれます。一方、中国などの新興国経済の減速懸念の高まりや原油・資源価格の下落などにより、リスク回避の動きが強まる場合には、円高が進む場面も想定されます。
ユーロ円相場は、ECBと日銀の金融政策の方向性が同じであることから、総じて横ばいの動きが予想されます。

8.リート

<現状>

リート市場は下落しました。月前半から中旬にかけて、原油安の進行や世界的な株式市場の下落を受け、リート市場も下落しました。しかし月後半にかけて、主要国の株式市場の上昇、欧州中央銀のドラギ総裁の追加緩和示唆、日銀の「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」導入を受け、下落幅が縮小しました。

<見通し>

米国の物価見通しが落ち着いていることから、米国の利上げペースは緩やかにとどまり、金利が急上昇するリスクは限定的とみられます。世界的に不動産市場の回復が見込まれることに加え、資金調達コストの抑制などリート市場にとっての好環境が意識されることなどから、リート市場は底堅い展開が予想されます。

9.まとめ

株式 株式市場は、世界的な景気見通しへの不透明感が和らぎ企業業績見通しへの信頼が高まるにつれ、株式市場は底堅い推移となることが期待されます。ただし、日米ともに原油や資源価格の下落、中国などの新興国経済減速による、業績予想の下方修正などにより、株式市場の変動が大きくなる可能性には注意が必要と見られます。
債券 米国債の利回りは、物価見通しの落ち着きから、今後の利上げペースは緩やかにとどまると見込まれ、国債の利回りは横ばい圏と予想されます。
ドイツ国債の利回りは、投資家の格付けの高い国債への需要が底堅いことや、ECBの追加緩和が見込まれることから、低位での推移が予想されます。
日本の国債利回りも、強力な金融緩和が継続し、低位での推移が見込まれます。 米国など主要国の社債市場は、企業の底堅い業績や慎重な財務運営などを背景に、社債スプレッドは比較的安定的に推移すると見込まれます。
為替 米ドル円相場は、日米の金融政策の方向性が異なることから、引き続き米ドル高圧力がかかりやすい環境です。しかし、米国の利上げペースは緩やかと見られ、米ドル円相場の方向性に大きな方向感は出ないと見込まれます。一方、中国などの新興国経済の減速懸念の高まりや原油・資源価格の下落などにより、リスク回避の動きが強まる場合には、円高が進む場面も想定されます。
ユーロ円相場は、ECBと日銀の金融政策の方向性が同じであることから、総じて横ばいの動きが予想されます。
リート 米国の物価見通しが落ち着いていることから、米国の利上げペースは緩やかにとどまり、金利が急上昇するリスクは限定的とみられます。世界的に不動産市場の回復が見込まれることに加え、資金調達コストの抑制などリート市場にとっての好環境が意識されることなどから、リート市場は底堅い展開が予想されます。

※上記の見通しは当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。今後、予告なく変更する場合があります。