2026年9月16日
三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩
【市川レポート】原油高と長期金利上昇という環境下での日本株の動きを検証する
●日経平均は原油高と長期金利上昇のなか軟調な推移が続くが、その他の指数の動きも検証する。
●業種別では資源・エネルギー関連や金融関連、スタイル別ではバリュー、サイズ別では小型が好調。
●原油価格と長期金利に上昇圧力が残る間は、バリュー株や小型株、内需株、高配当株に注目。
日経平均は原油高と長期金利上昇のなか軟調な推移が続くが、その他の指数の動きも検証する
日経平均株価は6月25日に過去最高値となる72,366円34銭(終値ベース、以下同じ)をつけた後、軟調に推移し、9月15日までに12.3%下落しました。この期間、WTI原油先物価格は47.1%上昇し、北海ブレント原油先物価格も44.5%上昇するなど、原油高の動きが顕著となり、インフレ懸念などから日本の10年国債利回りは40.8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、3%を超えてきています。
このような原油価格と長期金利の上昇は、日経平均が過去最高値を記録した後の軟調推移の一因になったと推測されます。そこで今回のレポートでは、日経平均以外の業種別やスタイル別指数などについて、6月25日から9月15日までの期間におけるパフォーマンスを検証し、原油高と長期金利上昇が進むなか、日本株は全体としてどのように推移したかを探ります。
業種別では資源・エネルギー関連や金融関連、スタイル別ではバリュー、サイズ別では小型が好調
はじめに、東証株価指数33業種からみていくと、原油高の恩恵を受けやすい資源・エネルギー関連の業種や、長期金利上昇の恩恵を受けやすい銀行など金融関連の業種は、好調なパフォーマンスが確認されます(図表)。これに対し、人工知能(AI)・半導体関連株を含む電気機器や非鉄金属、原油高が向かい風となりやすいガラス・土石製品や化学、長期金利上昇が向かい風となりやすい建設業や不動産業は低調なパフォーマンスとなっています。
次に、スタイル別指数に目を向けると、グロース株(TOPIXグロース)が2.5%下落した一方、バリュー株(TOPIXバリュー)は3.3%上昇と、相対的に好調です。サイズ別指数では、小型株(TOPIX Small)が3.3%上昇、大型株(TOPIX 100)が1.7%上昇、中型株(TOPIX Mid400)が3.5%下落となっており、原油価格と長期金利が上昇する状況下では、バリュー株や小型株に資金が流入した様子がうかがえます。
原油価格と長期金利に上昇圧力が残る間は、バリュー株や小型株、内需株、高配当株に注目
内需・外需の別では、内需株(日経平均内需株50指数)が6.9%上昇したのとは対照的に、外需株(日経平均外需株50指数)は14.0%下落しています。テーマ別では、高配当株の好調さに対し、半導体株の大幅な下げが目立ちます。市場別では、内需株を多く含む東証グロース市場指数が12.0%上昇、東証スタンダード市場指数は4.2%上昇、東証プライム市場指数は0.5%上昇となっており、東証株価指数(TOPIX)も0.5%上昇しています。
このように、原油高と長期金利上昇が進むなか、6月25日から9月15日までの期間は、「バリュー株」、「小型株」、「内需株」、「高配当株」が選好されたと考えられ、少なくとも日本の株式市場全体から投資資金が流出したわけではないと判断されます。今後もこれらが相対的に良好なパフォーマンスを維持できるとは限りませんが、原油価格と長期金利に上昇圧力が残る間は、注目されやすいと思われます。



