ホームマーケット市川レポート 経済・相場のここに注目2026年9月FOMCプレビュー~今回の注目点を整理する

2026年9月14日

三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩

【市川レポート】2026年9月FOMCプレビュー~今回の注目点を整理する

●今回のFOMCでは利上げの判断が最大の焦点に、市場では25bpの利上げの織り込みが8割強。
●弊社は今回25bpの利上げが行われ、12月に25bpの追加利上げ、来年は据え置きを予想する。
●利上げとウォーシュ議長のタカ派姿勢と先行きの指針の非提示は想定内、市場の混乱はなかろう。

今回のFOMCでは利上げの判断が最大の焦点に、市場では25bpの利上げの織り込みが8割強

米連邦準備制度理事会(FRB)は、9月15日、16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催します。今回は利上げの判断が最大の焦点になると思われますが、フェデラルファンド(FF)金利市場における25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げ確率は、9月11日時点で約87%に達しています(図表1)。以下、いくつかの注目点を整理し、想定される政策判断と市場の反応について考えます。


ウォーシュ議長は8月28日の講演で、基調的なインフレ率が目標の2%へ明確かつ十分な速度で向かっているとの確信がなければ、「やるべき仕事がある」と発言し、利上げに含みを持たせました。また、7月の個人消費支出(PCE)物価指数について、直近12カ月の変動率は3.7%、直近6カ月の変動率(年率換算)は4.1%と、目標の2%を上回っていると指摘、そのため市場では、8月の消費者物価指数(CPI)に注目が集まっていました。

弊社は今回25bpの利上げが行われ、12月に25bpの追加利上げ、来年は据え置きを予想する

9月11日に発表された8月CPIは、おおむね予想通りの結果となりましたが、食品とエネルギーを除くコア指数は前月比で0.3%上昇と、市場予想(0.2%上昇)を上回りました。前述の12カ月と6カ月の変動率は、総合指数が順に3.4%、5.1%、コア指数が順に2.4%、2.9%となりました。今回の8月CPIを受け、市場では利上げの織り込みが進み(図表1)、弊社も今回の利上げはほぼ確実と考えています。


なお、この先の金融政策について、弊社は年内12月に追加利上げ、2027年は政策据え置きを予想しています。また、今回は、FOMCメンバーが適切と考える「政策金利水準の分布図(ドットチャート)」が公表されますが、年内25bpの利上げ2回(9月利上げを含む)、2027年は政策据え置き、2028年は25bpの利下げ2回が適切との見方が示される可能性が高いとみています(図表2)。

利上げとウォーシュ議長のタカ派姿勢と先行きの指針の非提示は想定内、市場の混乱はなかろう

ウォーシュ議長は記者会見において、8月28日の講演と同じく、現時点でFRBが最も優先すべきは物価であるとの見解を繰り返す一方、先行きの利上げパス(経路)に関する手掛かりを示すことはないと思われます。FF金利市場では、25bpの利上げについて、9月11日時点で年内2回をほぼ織り込み、来年もすでに2回をうかがう状況となっていますが、今後の物価指標次第で、特に来年の織り込みは大きく変化することが見込まれます。


今回、25bpの利上げと、ウォーシュ議長が物価重視の姿勢を示すも、先行きの政策指針は示さずという結果は、すでにある程度、想定済みと考えられます。そのため、直後の米金融市場では、小幅ながら、ドル高、長期金利上昇、株安の反応が予想されますが、一時的なものにとどまり、大きな混乱は回避され、市場の焦点は、ほどなく9月17日、18日開催の日銀金融政策決定会合に移る公算が大きいとみています。