2026年7月28日
三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩
【市川レポート】2026年7月FOMCプレビュー~今回の注目点を整理する
●政策金利は据え置きを予想、ただ、タカ派のメンバーが据え置きに反対票を投じる可能性もあろう。
●ウォーシュ議長は物価安定を重視のタカ派姿勢を維持する一方、政策運営の方向性は示さずか。
●今回のFOMCは無風通過、弊社は年内9月と12月の2回、予防的な利上げ実施の見方を維持。
政策金利は据え置きを予想、ただ、タカ派のメンバーが据え置きに反対票を投じる可能性もあろう
米連邦準備制度理事会(FRB)は、7月28日、29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催します。今回はFOMCメンバーによる経済見通しや、メンバーが適切と考える「政策金利水準の分布図(ドットチャート)」は公表されないため、FOMC声明と、記者会見でのウォーシュ議長の発言が焦点となります。以下、これらについて、主な注目点を整理していきます。
まず、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標(現行3.50%~3.75%)について、弊社は市場の大方の見方と同じく、据え置きを予想しています。FOMC声明は、前回の6月会合から文面が大幅に簡素化されており、金融政策に関する手掛かりは乏しいと思われます。なお、弊社では今年のFOMCで投票権を持つメンバーのうち、3名はタカ派とみており(図表1)、政策金利の据え置きに反対票が出るケースも想定されます。
ウォーシュ議長は物価安定を重視のタカ派姿勢を維持する一方、政策運営の方向性は示さずか
次に、ウォーシュ議長の記者会見における発言について、ウォーシュ議長はこれまで物価の安定を実現する強い姿勢を示してきたこともあり、物価の現状認識が注目されると思われます。ただ、ウォーシュ議長はフォワードガイダンス(金融政策の先行きに関する指針)に否定的な立場であることから、記者会見において、今後の政策運営の方向性を示唆することはないとみています。
なお、ウォーシュ議長は7月14日に米下院金融サービス委員会で議会証言を行っており、同日発表された6月消費者物価指数が落ち着いた物価の伸びを示したことを受けても、物価安定の任務は完了していないとの考えを示しました。足元では、中東情勢や原油相場の先行きが依然見通しにくい状況にあることを踏まえると、今回も、持続的に高止まりするインフレを容認しないという、タカ派的な姿勢を維持する可能性が高いと思われます。
今回のFOMCは無風通過、弊社は年内9月と12月の2回、予防的な利上げ実施の見方を維持
FF金利先物市場に目を向けると、年内25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げ回数は、直近で1.7回程度が織り込まれています(図表2)。今回のFOMCについて、金融政策の据え置きや、ウォーシュ議長のタカ派姿勢の維持は、おおむね想定済みとみられ、実際にそのような結果となれば、利上げの織り込み回数に大きな変化はなく、債券、為替、株式の各市場の反応も限定的と考えます。
弊社はFRBの金融政策について、年内9月と12月の2回、25bpずつ利上げが行われるとの見方を継続しています。今局面の利上げは、需要の抑制を目的とするものではなく、原油高を起点とした物価上昇圧力が、「川上」である輸入物価指数から、「川中」ともいわれる企業物価指数へ、さらに「川下」である消費者物価指数への波及を防ぐことを目的とする、予防的な利上げと位置付けています。



