ホームマーケット市川レポート 経済・相場のここに注目AI・半導体相場の持続性と2つのリスク要因

2026年6月30日

三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩

【市川レポート】AI・半導体相場の持続性と2つのリスク要因

●日米でAI・半導体関連銘柄に売りが出回り、AI・半導体相場の勢いにかげりが出てきたとの声も。
●日米主要AI・半導体関連銘柄は一部でPERの大幅な上昇がみられるもEPSは総じて改善傾向。
●リスクはAI・半導体関連銘柄の業績低迷と米利上げだが回避できればAI・半導体相場は継続へ。

日米でAI・半導体関連銘柄に売りが出回り、AI・半導体相場の勢いにかげりが出てきたとの声も

日米の株式市場では、このところ人工知能(AI)・半導体関連銘柄への利益確定売りなどに押され、やや不安定な値動きがみられます。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、6月2日に過去最高値(終値ベース、以下同じ)をつけた後に幾分調整色を強めており、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も、6月22日に過去最高値をつけて以降、上昇一服となっています。


また、日経平均株価についても、6月25日に過去最高値をつけたものの、先週はかなり値動きの荒い相場展開となりました。投資家の高い人気を背景にAI・半導体関連銘柄が大きく上昇し、それが相場全体をけん引する状況について、市場では投資マネーの偏りや過熱感を懸念する向きも多く、ここにきてAI・半導体相場の勢いにかげりが出てきたとの声も聞かれます。

日米主要AI・半導体関連銘柄は一部でPERの大幅な上昇がみられるもEPSは総じて改善傾向

米国の主なAI・半導体関連14銘柄について、昨年末から直近までの騰落率、昨年末と直近の株価収益率(PER)と1株あたり利益(EPS)の比較をまとめたものが図表です。騰落率は半導体関連銘柄の上昇が顕著ななか、PERは一部銘柄の数値がかなり大きいものの、全てが割高な水準にある訳ではなく、EPSは総じて直近の数字が改善していることが分かります。


次に、日本も同様に、主なAI・半導体関連14銘柄について、昨年末から直近までの騰落率、昨年末と直近のPERとEPSの動きを確認してみます。改めて図表をみると、騰落率は14銘柄全て上昇するなか、PERは一部銘柄で直近の数値がかなり大きくなっており、割高感が強まっている様子がうかがえます。ただ、EPSに関しては米国と同様、総じて直近の数字が改善していることが確認されます。

リスクはAI・半導体関連銘柄の業績低迷と米利上げだが回避できればAI・半導体相場は継続へ

このように、日米の主なAI・半導体関連銘柄については、現時点で市場の利益見通しは総じて良好な一方、一部には相応に割高感が出ているといえます。したがって、足元のような関連銘柄の調整はむしろ自然な動きであり、AI・半導体相場が持続するには必要な要素と考えます。ただ、リスクとしては、①AI・半導体関連銘柄の業績が低迷すること、②米国が本格的な利上げ局面に入ること、この2つが挙げられます。


①に関しては、日々の報道や四半期決算で、業績に関するネガティブな内容が増加しないか否か、②に関しては、雇用や物価に関する米経済指標が強い内容となり、本格的な利上げ局面の織り込みが進むか否かが、今後の注意点と思われます。①、②とも実現しなければ、AI・半導体相場は、ボラティリティ(変動性)を伴いつつも、継続していく可能性が高いとみています。



※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。