ホームマーケット市川レポート 経済・相場のここに注目7万円も通過点となった日経平均株価の上昇ペースを再考する

2026年6月22日

三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩

【市川レポート】7万円も通過点となった日経平均株価の上昇ペースを再考する

●日経平均は6万円台から7万円台までわずか2カ月弱、10銘柄の寄与度合計が上昇幅の9割に。
●日経半導体株指数や日経外需株50は好調だが、スタンダードやグロース市場指数はマイナス圏。
●日経平均の急上昇はAI・半導体関連株の上昇によるところが大きく出遅れ銘柄はまだ多い状況。

日経平均は6万円台から7万円台までわずか2カ月弱、10銘柄の寄与度合計が上昇幅の9割に

日経平均株価は6月18日、前日比1,151円24銭(1.6%)高の71,053円49銭で取引を終え、初めて7万円の大台乗せとなりました。翌19日も続伸となり、終値は71,250円06銭と過去最高値を更新し、7万円も通過点になったと思われます。日経平均の終値が5万円台到達(2025年10月27日)から6万円台到達(2026年4月27日)には6カ月ほどを要しましたが、7万円台到達には2カ月もかかりませんでした。


6万円台到達の2026年4月27日から7万円台到達の6月18日までの期間、日経平均の上昇率は17.4%、上昇幅は10,516円13銭でした。日経平均を構成する225銘柄のうち、日経平均の上昇幅に対する寄与度の大きい上位10銘柄は図表1の通りです。10銘柄の寄与度を合計すると9,529円57銭となり、これは日経平均の上昇幅の約91%を占めることになります。

日経半導体株指数や日経外需株50は好調だが、スタンダードやグロース市場指数はマイナス圏

図表1の10銘柄をみると、日経平均の上昇をけん引したのは、人工知能(AI)・半導体関連株であり、TDKや村田製作所などは、AIサーバー向け積層セラミックコンデンサー(MLCC)の需給ひっ迫を背景に、大きく上昇したものと思われます。10銘柄について、東証33業種の区分でみると、7銘柄が電気機器、1銘柄が情報・通信業となっており、業種の偏りも鮮明です。


また、2026年4月27日から6月18日までの期間について、主な指数の騰落率を確認すると、日経平均の+17.4%を上回ったのは、日経半導体株指数の+56.1%、日経平均外需株50指数の+ 25.2%でした(図表2)。内需は相対的に低調で、日経平均内需株50指数は+ 3.2%、市場別指数では、東証スタンダード市場指数が-1.9%、東証グロース市場指数は-6.8%と、マイナス圏に沈んでいます。

日経平均の急上昇はAI・半導体関連株の上昇によるところが大きく出遅れ銘柄はまだ多い状況

一方、東証株価指数(TOPIX)に目を向けると、構成銘柄の1,639銘柄(2026年6月18日時点)のうち、2026年4月27日から6月18日までの期間において、上昇した銘柄の割合は53.0%、下落した銘柄の割合は46.5%、変わらずの割合は0.5%でした。日経平均が6万円台から7万円台へ水準を切り上げた期間、TOPIXベースでみると、半分弱の銘柄が下落していたということになります。


このように、日経平均の急速な上昇は、AI・半導体関連株の上昇によるところが大きく、出遅れている銘柄もまだ多い状況にあることが分かります。AI・半導体相場の持続性は、主な関連企業の業績次第と思われ、今後、業績に関する報道や決算発表は、重要な材料と考えます。出遅れ銘柄については、AI・半導体関連株が調整した場合などに、物色が広がることも想定されます。



※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。