2026年6月16日
三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩
【市川レポート】米・イランの和平合意で日経平均株価は7万円も通過点となるか
●米・イランの和平合意の報道を受け、日経平均、TOPIX、ダウ平均、SOXが過去最高値を更新。
●日経平均の上昇は、予想EPSの伸びに支えられた動きであり、7万円通過も視野に入りつつある。
●注意すべきは米利上げやAI・半導体関連企業の業績失速などだが現時点で過度な懸念は不要。
米・イランの和平合意の報道を受け、日経平均、TOPIX、ダウ平均、SOXが過去最高値を更新
米東部時間6月14日、トランプ米大統領はイランと戦闘終結で合意したとSNSで発表しました。翌15日には米政府高官が、トランプ氏とバンス米副大統領、イランのガリバフ国会議長が覚書に署名し、正式な調印式は19日にスイスで開くと説明しました。現時点で覚書の詳細は明らかになっていませんが、米政府高官によると、24~48時間以内に公表される見通しとのことです。
これら一連の報道を受け、WTI原油先物価格や北海ブレント原油先物価格が低下し、日米欧では10年国債利回りが低下、主要株価指数は上昇する動きが総じてみられました(図表1)。日本では日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)が過去最高値を更新し、米国でもダウ工業株30種平均と、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が過去最高値を更新しました。
日経平均の上昇は、予想EPSの伸びに支えられた動きであり、7万円通過も視野に入りつつある
日経平均は6月15日の取引時間中に一時69,682円23銭をつけ、70,000円をうかがう展開となりましたが、引き続きソフトバンクグループやアドバンテスト、東京エレクトロンなどの値がさの人工知能(AI)・半導体関連株がけん引役となっています。日経平均は、昨年10月に5万円に到達してから、6カ月後の今年4月に6万円に到達しており、仮に今月中に7万円到達となれば、わずか2カ月での大台突破となります。
このように、最近の日経平均の上昇ペースはかなり速く、相場の過熱感が懸念される状況にあることから、改めて日経平均の1株当たりの予想利益(EPS)と株価収益率(PER)の推移を確認してみます。図表2をみると、EPSがしっかりと伸びている一方、PERは相対的に低下しており、足元の日経平均の上昇は、良好な利益の伸びの見通しに支えられたものと判断され、7万円通過も視野に入りつつあると思われます。
注意すべきは米利上げやAI・半導体関連企業の業績失速などだが現時点で過度な懸念は不要
ただ、株価は一般に、上昇と下落を繰り返しながらトレンドを形成するため、一本調子の右肩上がりの動きを期待することは難しいといえます。日経平均もこの先、ところどころで売りに押される場面も予想され、注意すべきリスクとしては、①米国が本格的な利上げ局面入りすること、②AI・半導体関連企業の業績が失速すること、③米・イランが合意を破棄すること、などが挙げられます。
①について、弊社は年内9月と12月に25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ずつの予防的な利上げを予想していますが、本格的な連続利上げ局面入りまでは想定していません。②は、関連企業の日々のニュースや四半期決算の内容を精査する必要があり、③は、今のところ生起確率は低いと思われます。いずれも現時点で過度に警戒することはありませんが、引き続き注意してみておくことは大切と考えています。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。



