2026年5月14日
三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩
【市川レポート】日本企業の決算発表~進捗状況を確認する
●2025年度実績の途中経過は、全体で増収、営業利益と経常利益は増益で、純利益は減益に。
●2026年度の会社予想は直近で増収増益、それほど強い予想値ではないが、想定ほど悪くはない。
●会社予想は業種によってかなり強弱が分かれているが現時点での会社予想に過度な反応は不要。
2025年度実績の途中経過は、全体で増収、営業利益と経常利益は増益で、純利益は減益に
昨日のレポートでは、米国企業の決算状況をお伝えしましたが、日本でも国内企業による決算発表が続いています。5月13日時点で、東証株価指数(TOPIX)を構成する3月期決算企業のうち、2025年度の決算発表を終えた企業は6割強に達しました。そこで今回のレポートでは、2025年度の実績と2026年度の会社予想について、現時点での進捗状況を確認します。
はじめに、2025年度の実績からみていきます。5月13日時点で、3月期決算企業(金融とソフトバンクグループを除く、以下同じ)全体の売上高は+4.0%(前年度比、以下同じ)、営業利益は+2.6%、経常利益は+2.9%、純利益は-3.7%でした(図表1)。このうち、製造業は順に+4.2%、+0.1%、+4.1%、-4.4%、非製造業は順に+3.6%、+6.7%、+1.5%、-2.9%となっており、いずれも純利益は減益という状況です。
2026年度の会社予想は直近で増収増益、それほど強い予想値ではないが、想定ほど悪くはない
今回、市場の関心は2025年度の実績よりも2026年度の会社予想にあると思われ、中東情勢を巡る不透明感が残るなか、企業がどのような業績見通しを示すかに注目が集まっています。そこで次に、3月期決算企業による2026年度の会社予想をみると、5月13日時点で、売上高は+4.9%、営業利益は+5.0%、経常利益は+0.4%、純利益は+6.1%と、増収増益の見方が示されました(図表2)。
ただ、製造業・非製造業の区分では、非製造業の利益見通しがやや弱めとなっており、全体としてもそれほど強い予想値ではないように思われます。それでも、2026年度の会社予想については、不安定な中東情勢を踏まえ、総じて控えめな数字が市場で見込まれていたこともあり、「全体では想定していたほど悪くない」という受け止めが、今のところ多いのではないかと考えています。
会社予想は業種によってかなり強弱が分かれているが現時点での会社予想に過度な反応は不要
2026年度の会社予想を東証33業種別にみると、増収増益の見通しを示しているのは、製造業の「機械」、「金属製品」、「精密機器」、「電気機器」、非製造業の「サービス業」、「小売業」、「情報通信業」、「不動産業」などです。一方、営業・経常・純利益そろって減益の見通しを示しているのは、製造業の「石油・石炭製品」、「非鉄金属」、「輸送用機器」、非製造業の「海運業」、「空運業」、「陸運業」などです。
なお、これらはあくまで5月13日時点における2026年度の会社予想であり、まだ決算発表は続いていることから、この先、見通しがいくらか変わることも考えられます。また、決算発表が一巡し、会社予想が出そろった後でも、その後の中東情勢次第で、当然ながら企業は次回以降の決算発表で会社予想を修正し、市場もそれを織り込むことになります。そのため、現時点での会社予想の強弱に対し、過度に反応する必要はないと思われます。



