2026年4月28日
三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩
【市川レポート】日経平均株価の6万円は通過点で上昇余地は大きいとみる
●日経平均は昨日終値で60,000円台に、イランが新提案を提示したとの報道も好感された模様。
●ただ、最近はハイテク株が日経平均をけん引、市場の焦点はAIなどの技術革新へ移行しつつある。
●日本株を取り巻く環境は総じて良好、日経平均はこの先弊社予想レンジ上限を意識する展開も。
日経平均は昨日終値で60,000円台に、イランが新提案を提示したとの報道も好感された模様
日経平均株価は4月27日、前営業日比821円18銭(1.4%)高の60,537円36銭で取引を終え、過去最高値を更新しました。この日は日本時間の午前10時頃、イランがホルムズ海峡の開放に向け新たな提案を米国に示したと伝わり、これをきっかけに日経平均の上げ幅が拡大しました。終値が初めて60,000円台に乗せたことを受け、今回のレポートでは、改めて日経平均の先行きを展望します。
まず、イランの提案は、米ニュースサイトのアクシオスが報じたもので、核協議は米国が実施するホルムズ海峡の封鎖を解除した後に行うという内容が含まれている模様です。核協議自体は継続されることや、ホルムズ海峡の通航再開によってガソリン価格の低下が期待されることを踏まえると、中間選挙を控えるトランプ米大統領にとって検討可能な提案と思われ、実際にその後、複数のメディアが米国はこの提案を議論したと報じています。
ただ、最近はハイテク株が日経平均をけん引、市場の焦点はAIなどの技術革新へ移行しつつある
中東情勢の先行きが依然見通しにくいなか、米国ではハイテク株が急速に値を戻しており、これが国内の値がさハイテク株の追い風となって最近の日経平均上昇につながっていると推測されます。このような動きをみる限り、市場の焦点は、数カ月で解消する可能性もある米国とイランの対立から、人工知能(AI)・半導体関連企業の技術革新に移りつつあるようにも思われます。
ただ、国内では一部の値がさハイテク株は堅調な一方、景気に敏感な銀行株や自動車株などは戻りが鈍く、二極化の様相を呈しています。そのため、日本株がよりしっかりとした上昇基調を維持するには、出遅れセクターにも買いが広がる必要があります。前述のイランからの提案を米国が議論したとの報道は、出遅れセクターに買いが広がる1つの好材料と考えられます。
日本株を取り巻く環境は総じて良好、日経平均はこの先弊社予想レンジ上限を意識する展開も
改めて、日本株を取り巻く環境に目を向けると(図表1)、総じて良好な状況は変わっておらず、物価はこの先、やや上振れが見込まれる一方、2026年春闘では平均賃上げ率が3年連続で5%を超える高い水準を維持しており、企業の現預金の活用でROE(自己資本収益率)の更なる改善も見込まれます。また、6月公表の「骨太の方針」で、成長投資や危機管理投資への期待が高まれば、株価上昇につながりやすいとみています。
弊社の今年度における日経平均の見通しは図表2の通りですが、足元の日経平均は想定よりもやや堅調に推移しています。この先、日米企業の決算発表に大きなネガティブサプライズがなく、米国とイランの緊張緩和に向けた動きがみえてくれば、図表1で示した好環境ともあいまって、日経平均は各四半期の予想レンジ上限程度まで、上昇余地が広がることもあり得ると考えています。



