2026年2月18日
三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩
【市川レポート】高市政権の日本成長戦略本部と国民会議と日本版DOGEの役割
●日本成長戦略本部では3月から戦略分野のロードマップが策定され夏にまとめる成長戦略に反映。
●国民会議では飲食料品の消費税減税と給付付き税額控除が議論され夏前に中間取りまとめへ。
●日本版DOGEは財政効率化に取り組み、骨太の方針に反映へ、各組織での議論の進展に期待。
日本成長戦略本部では3月から戦略分野のロードマップが策定され夏にまとめる成長戦略に反映
高市早苗政権は危機管理投資・成長投資による強い経済の実現を重要課題に掲げています。2025年11月には、成長戦略の方向性や具体策を示す「日本成長戦略本部」を立ち上げ、人工知能(AI)・半導体など17の戦略分野を確定しました。そして、2025年12月に成立した2025年度補正予算では、一般会計の総額18.3兆円のうち6.4兆円を危機管理投資・成長投資にあてています。
今後、17の戦略分野については、3月から目標・道筋・政策手段を明確にした「官民投資ロードマップ」が策定され、夏にまとめる「成長戦略」に反映される見通しです。また、戦略分野への支援にあたっては、前述の通り、2025年度の補正予算において6.4兆円の予算措置が講じられましたが、2026年度当初予算でも支援の積み上げが行われ、切れ目なく危機管理投資・成長投資が促進される見通しです。
国民会議では飲食料品の消費税減税と給付付き税額控除が議論され夏前に中間取りまとめへ
高市首相はまた、2025年10月の所信表明演説で、社会保障改革を議論する超党派と有識者による「国民会議」を創設する方針を打ち出しました。自民党の政策をまとめた「自民党政策BANK」をみると、今後は国民会議において、飲食料品を2年間消費税の対象としないことに関し、「財源やスケジュールの在り方など、実現に向けた検討を加速します」と明記されています。
また、給付付き税額控除の制度設計についても、国民会議で「社会保障と税の一体改革について議論し、結論を得ます」と明記されています。高市首相は、飲食料品を2年間消費税の対象外とすることについて、給付付き税額控除を導入するまでの措置としていることから、国民会議ではこの2つの政策がそろって議論されることになり、夏前には中間取りまとめが行われる見通しです。
日本版DOGEは財政効率化に取り組み、骨太の方針に反映へ、各組織での議論の進展に期待
さらに高市政権は2025年11月、高額な補助金や租税特別措置(租特)と呼ばれる政策減税、基金を点検する「租税特別措置・補助金見直し担当室」を内閣官房に設置しました。同室は日本版の「政府効率化省(DOGE)」と位置づけられ、担当閣僚に就いた片山さつき財務相は、春から具体的な見直し作業に取り組み、夏にまとめる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に反映させる考えを示しています。
なお、飲食料品が消費税の対象外となれば、年5兆円程度の税収減となるため、日本版DOGEが安定的な財源をねん出できるか否かが注目されます。改めて、高市政権における日本成長戦略本部と国民会議、日本版DOGEの役割などをまとめると図表の通りとなります。今後、それぞれの組織で議論が着実に進展すれば、国内金融市場における持続的な株高と、投機的な円安や長期金利上昇の抑制につながると思われます。



