2026年2月6日
三井住友DSアセットマネジメント
チーフマーケットストラテジスト 市川 雅浩
【市川レポート】衆院選直前の株・長期金利・為替に関するチェックポイント
●選挙戦終盤情勢では与党圧勝の勢い、与党が3分の2議席確保なら憲法改正発議などが可能。
●与党勝利で株高・長期金利上昇・円安も、市場の信認ある財政運営、適切な金融政策が重要。
●与党敗北で株安・長期金利低下・円高か、ここからは選挙以外の材料の慎重な見極めが大切に。
選挙戦終盤情勢では与党圧勝の勢い、与党が3分の2議席確保なら憲法改正発議などが可能
衆議院議員選挙が2月8日に迫るなか、報道各社が選挙戦終盤の情勢を伝えています。直近では、日本経済新聞が与党の自民党と日本維新の会が300議席超えをうかがう展開と報じ、毎日新聞は自民党が単独で300議席を超える可能性があり、与党では3分の2(310議席)をうかがう勢いと伝えています。また、読売新聞も自民党が単独で過半数(233議席)を超え、与党では3分の2もうかがう情勢と報じています。
高市早苗首相は衆院選の勝敗ラインとして「与党で過半数」を掲げており、報道各社の終盤情勢を踏まえると、与党圧勝の可能性も意識されます。なお、衆議院の定数は465議席であり、重要な議席数の目安は図表1の通りです。仮に、与党が3分の2の310議席を確保した場合、与党は憲法改正の国会発議や、参議院が否決した法案の衆議院での再可決が可能となります。
与党勝利で株高・長期金利上昇・円安も、市場の信認ある財政運営、適切な金融政策が重要
以下、衆院選の結果が国内の金融市場に与える影響についてシナリオ別に考えます。まず、与党が過半数以上の議席を獲得した場合、株高・長期金利上昇・円安の反応が予想され、獲得議席数が多いほど、強い反応になると思われます。ただ、急速に円安が進行し、政府・日銀によるドル売り・円買い介入が行われるケースでは、一時的な株安、長期金利低下、円高の動きが見込まれます。
与党の勝利により、高市首相の政権基盤は安定しますが、中長期的に株高基調が継続し、長期金利上昇と円安進行が一服するには、①危機管理投資や成長投資を推進しつつ、財政規律に配慮し、市場の信認を得られるような財政運営に努めること、②日銀が適切な金融政策を遂行すること、この2つの実現が必要と考えます。実現されなければ、長期金利上昇と円安進行が続くリスクが残り、株価にもマイナスとなる恐れがあります。
与党敗北で株安・長期金利低下・円高か、ここからは選挙以外の材料の慎重な見極めが大切に
次に、与党の議席数が過半数割れとなった場合、いわゆる「高市トレード」の巻き戻しが起こり、株安・長期金利低下・円高の反応が予想され、獲得議席数が少ないほど、強い反応になると思われます。ただ、与党政権が継続し、野党の政策に配慮した拡張的な財政運営となれば、再び株高・長期金利上昇・円安の動きに転じることも想定され、市場が安定するには、やはり前述の①と②の実現が重要なポイントになります。
一方、政権交代となれば、政局の不透明感が払しょくされるまで、株安・長期金利低下・円高の流れが続くことも考えられます。足元では衆院選の結果が市場の焦点になっていますが、選挙が終わってしまえば、市場の関心は当然ながらそれ以外の材料に向かいます。そこで、選挙後、注意すべき材料を図表2にまとめました。選挙後の国内金融市場を中長期的に展望する上では、これらの材料を慎重に見極めることが大切と考えます。



