政局に変化が起こりやすい五輪開催の年

2021年8月25日

●この先、自民党総裁選の投開票は9月29日、衆院選は最も遅い場合、11月28日となる見通し。

●今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されたが、過去に大会が開催された年は政局が変化。

●過去の例から政局変化が意識されるが、あくまでもジンクスで、選挙の行方は冷静にみる必要あり。

この先、自民党総裁選の投開票は9月29日、衆院選は最も遅い場合、11月28日となる見通し

国内ではこの先、自民党総裁選や衆院選という重要な政治イベントが控えています。報道によれば、総裁選は9月17日告示、同29日投開票となる公算が大きく、複数の候補が総裁選に出馬する見通しです。衆院選は、総裁選後になる可能性が高まっており、①10月21日の衆院議員任期満了による実施や、②総裁選後の臨時国会で衆院解散による実施などが見込まれます。


①について、公職選挙法上、任期満了による総選挙は任期が終わる日の前30日以内に行うと規定されており、今回、投開票日は9月26日、10月3日、同10日、同17日(いずれも日曜日)の4パターンとなります。また、②について、同じく公職選挙法上、衆議院の解散による総選挙は解散の日から40日以内と規定されており、10月21日解散の場合、投開票日は11月28日(日曜日)まで遅らせることができます。

今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されたが、過去に大会が開催された年は政局が変化

内閣支持率が低迷するなか、8月22日の横浜市長選において、菅首相が支援した候補が敗北しました。自民党幹部からは、政府の新型コロナ対応への不満が批判票となって集中したことが敗因との声も聞かれ、衆院選への危機感が広がっています。なお、今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されましたが、過去、五輪が開催された年は、政局が変化するケースがみられました(図表1)。


具体的に確認すると、まず、東京大会が開催された1964年、当時の池田勇人首相は閉会式翌日の10月25日、病気療養に専念するため、首相の地位を辞任するとの声明を発表しました。自民党は後継の総裁に佐藤栄作氏を指名し、11月9日に第1次佐藤内閣が誕生しました。その後、佐藤内閣は第3次まで続き、7年8カ月という記録的な長期政権となりました。

過去の例から政局変化が意識されるが、あくまでもジンクスで、選挙の行方は冷静にみる必要あり

次に、札幌冬季大会が開催された1972年、当時の佐藤首相は沖縄返還を終えた後、6月17日に総理・総裁辞任の意思を表明し、7月7日に第1次田中角栄内閣が誕生しました。そして長野冬季大会が開催された1998年、7月12日の参院選で議席を減らす結果となったことから、当時の第2次橋本龍太郎内閣が7月30日に総辞職し、同日、小渕恵三内閣が誕生しました。


政変のジンクスは、五輪のほかにも子年があり、昨年も安倍政権から菅政権に交代しています(図表2)。なお、前述の任期満了による総選挙は、戦後、1976年の1例しかなく、当時の三木武夫首相は衆院選で敗北し、退陣を余儀なくされました(図表1)。このような過去の例をみると、今年も政局変化の可能性を意識しやすくなりますが、あくまでもジンクスなので、総裁選や衆院選の行方を冷静にみていく必要があります。