2021年4-6月期決算の途中経過と株価の反応

2021年8月4日

●4-6月期は前年同期比で大幅な増収増益、ただ前年のコロナによる業績低迷の反動によるもの。

●企業による2021年度の業績予想は小幅に上方修正されたが依然市場予想との乖離がみられる。

●今のところ個別物色の動きにとどまり指数は低迷、感染の再拡大が先行きの業績見通しに影響か。

4-6月期は前年同期比で大幅な増収増益、ただ前年のコロナによる業績低迷の反動によるもの

現在、国内企業による2021年4-6月期の決算発表が続いています。8月3日までに決算発表を終えた、東証株価指数(TOPIX)を構成する3月期決算企業(金融を除く)は、550社に達しましたが、全体の企業数でみると、まだ41%程度にとどまっています。そこで、今回のレポートでは、ここまでの決算発表の途中経過と、それを受けた株価の反応について検証します。


はじめに、2021年4-6月期の実績を確認すると、前年同期比で売上高は20.2%増、営業利益は377.7%増、経常利益は300.0%増、純利益は1,266.6%増という結果になりました。大幅な増収増益ですが、前年同期は、新型コロナウイルスの感染拡大で、業績が大きく落ち込んだ時期であったため、その反動によるところが大きいと考えます。なお、製造業・非製造業の区分でみると、製造業の純利益が急回復していることが分かります(図表1)。

企業による2021年度の業績予想は小幅に上方修正されたが依然市場予想との乖離がみられる

次に、企業による2021年度の業績予想について確認します。業績予想を公表している企業について、入手できるデータに基づき集計したところ、前年同期比で売上高は6.0%増、営業利益は28.3%増、経常利益は24.0%増、純利益は43.2%増という見通しが示されました(図表2)。業績予想の改定率は、順に+0.6%、+0.9%、+2.3%、+4.1%だったため、全体として小幅ながら上方修正されたことになります。


小幅ながらも、現時点での業績予想の上方修正は、株価にとってポジティブな材料と考えます。しかしながら、市場の業績予想と企業の業績予想との乖離率を計算したところ、売上高は-1.2%、営業利益は-7.1%、経常利益は-7.7%、純利益は-7.7%となっています。つまり、企業による通年度の業績予想は、小幅に上方修正されたものの、市場予想には届いていないということになります。

今のところ個別物色の動きにとどまり指数は低迷、感染の再拡大が先行きの業績見通しに影響か

次に、進捗率を確認します。進捗率とは、業績予想の達成度合いを示すもので、一般に、売上高や純利益などの四半期累計値を、企業による通年度の業績予想で割って求めます。4-6月期の場合、進捗率は25%が目安となりますが、8月3日時点で、売上高は23.9%、営業利益は25.2%、経常利益は27.4%、純利益は31.3%となっています。製造業・非製造業の区分でみると、各項目とも非製造業より製造業の進捗率が高くなっています(図表1)。


決算発表が本格化する前の7月16日から8月3日までの株価の動きをみると、日経平均株価は1.3%、東証株価指数(TOPIX)は0.1%、それぞれ下落しています。8月3日までの決算発表を受け、好決算銘柄を個別に物色する動きはみられるものの、指数全体を押し上げるには至っていません。本日以降も決算発表は続きますが、やはり世界的なコロナの感染再拡大が、一定程度、業績見通しの重しになっているように思われます。