米国経済と株式市場の見通し(2017年7月)
米経済は緩やかに成長、株価も堅調に推移しよう 【デイリー】

2017年7月19日

【ポイント1】成長率は今後、加速の見通し

物価は低い水準で落ち着いた推移

(1)景気動向

■2017年1-3月期の米実質GDP成長率(確報値)は、前期比年率+1.4%にとどまりました。暖冬の影響によるものです。景気の拡大基調が崩れたわけではありません。

■企業の景況感を示すISM指数は、製造業、非製造業ともに好不況の分岐点となる50を上回っています。景気の拡大に対応して、企業は引き続き採用を増やしています。4-6月期の非農業雇用者の増加数は月平均+19.4万人と、前期の同+16.6万人から拡大し、同期の失業率は4.4%まで低下しています。

■17年4-6月期の米実質GDP成長率は、個人消費の持ち直し等から、前期比年率+2.7%まで加速したもようです。17年の年間では、前年比+2.2%程度の成長は確保できる見通しです。続く18年は、トランプ政権による公共投資拡大の効果が本格的に寄与し始めると予想されるため、前年比+2.4%程度へ加速する見通しです。

(2)物価動向

■米連邦準備制度理事会(FRB)が注視しているPCE(個人消費支出)コア物価上昇率は、5月は前年同月比+1.4%となり、前月の同+1.5%から鈍化しました。人件費が大半を占めるサービス価格は、雇用の増加を反映して順調に伸びたのに対し、自動車、家具・家電、衣類等の財価格が値下がりしたためです。今後は景気拡大による需給のひっ迫から、PCEコア物価上昇率は緩やかに上昇する見通しです。

【ポイント2】緩やかな利上げ継続の見通し

バランスシート縮小は年内開始へ

■イエレンFRB議長は、7月の議会証言で、経済は緩やかな成長を維持する見通しと述べました。インフレ率については、今後はFRBの目標である+2%に向け緩やかに加速すると予想しました。

■現状の政策金利が中立金利(景気を刺激せず、また抑制もしない景気にとって中立的な短期金利の水準)を下回っていると見られることから、FRBは利上げの継続が妥当と判断しました。

■もっとも、政策金利を大幅に引き上げる必要はなく、今後数年にわたっての緩やかな利上げが適切としています。バランスシートの縮小(FRBが保有する債券等の資産の圧縮)については、経済が想定通りに進展すれば、年内に開始する予定と述べ、また証言後の質疑応答では「比較的早期に」と語りました。

■米国の景気は、個人消費を支えに順調な拡大基調を辿っていますが、物価や賃金の上昇率は依然として低い水準に止まっています。このため、FRBによる利上げや、バランスシートの縮小は緩やかな速度で進められる見通しです。

【今後の展開】企業収益は順調に拡大、株価の上昇を支える見通し

■S&P500種採用企業の2017年4-6月期決算発表が始まっています。7月18日付トムソン・ロイターの発表によれば、前年同期比は+8.5%の増益と好調を維持したもようです。17年の年間では前年比+11.1%、18年も同+11.4%と二桁の増益の見通しです。業種別に見ると、エネルギーセクターが前年同期の反動から大幅な増益率となる見込みです。

■米国株式市場は、良好な経済状況、堅調な企業利益を反映して、緩やかながら上昇基調にあります。特に、今年の相場をけん引しているのは、情報技術セクターです。同セクターの業績好調が引き続き維持されれば、米国株式市場にとってプラス要因となりそうです。

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