米国地方債市場の動向(2017年4月)
米国債よりも高い利回りが魅力の地方債【デイリー】
2017年4月6日
【ポイント1】米国地方債の魅力
安全性の高さと利回りが魅力
■米国地方債は、一般財源債とレベニュー債の2種類で構成されています。残高の比率は、一般財源債が約30%、レベニュー債が約70%です。
■一般財源債は、地方公共団体の課税権(税金)を担保として発行され、発行体が元利金の償還を行います。レベニュー債は、主に地方公共団体の関連施設が行う事業の利用料等が償還財源となります。
■米国地方債には、非課税債と課税債がありますが、日本のように米国と租税条約を締結している米国外の居住者は、非課税債よりも利回りの高い課税債の利金についても税金が免除されるなどの優遇措置があります。

【ポイント2】比較的良好なパフォーマンス
過去1年半では投資適格社債並み
■低金利環境が続く中、相対的に高利回りの債券への需要は強く、例えば過去1年半の期間では、ハイイールド社債が非常に好調でした。
■日本人の主要な投資対象となる課税地方債は安定的な動きとなり、投資適格社債並みのリターンでした。
■参考にブルームバーグ・バークレイズ・インデックス(残存期間5-10年)で見てみると、米国債の3月末利回りは2.21%で、課税地方債は3.10%となっています。

【今後の展開】米国地方債は安定性が魅力
■米国では、政権と議会の予算協議などのやり取りを見ている限り、大幅な財政赤字拡大リスクは低減しています。また、インフレが落ち着いていることから、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは緩やかなペースで行なわれる見通しであり、米国の長期国債利回りの上昇余地は大きくないとみられます。
■このような環境下、債務不履行率が低く国債よりも利回りの高い地方債には、相対的な魅力度があると見込まれます。