ホームマーケット日々のマーケットレポート米国の債券市場(2016年6月) 社債への資金流入が継続し、利回りは低位で推移しよう/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

米国の債券市場(2016年6月)
社債への資金流入が継続し、利回りは低位で推移しよう 【デイリー】

2016年6月14日

【ポイント1】国債利回りは低下基調

利上げ先送り観測が強まる

■5月の米国10年国債利回りは、低下して始まりましたが、中旬から月末にかけて上昇しました。4月に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録や地区連銀総裁の発言がタカ派的だったこと、小売売上高などの景気指標が上振れしたことなどによるものです。結局、5月末の10年国債利回りは、前月末比ほぼ横ばいの1.85%となりました。

■しかし、6月に入ると、利回りは再び低下に転じました。月初に公表された5月の雇用統計が低調な内容だったことから、利上げの先送り観測が強まったためです。

【ポイント2】社債の需給はともに旺盛

社債スプレッドはやや拡大

■米証券業金融市場協会の統計によれば、 5月の社債発行額は2,058億ドル、前月比74.5%増と引き続き活況でした。

■米社債スプレッド(国債と社債の利回り差)は、小幅に拡大しました。記録的な発行が続き、社債の需給が緩んだためです。ただし、需要も旺盛なため、社債金利は引き続き落ち着いた推移となっています。

【今後の展開】社債利回りは低位で推移しよう

■5月の雇用統計は低調でしたが、それを除く経済指標は、ISM景況感指数や失業保険申請件数など、概ね堅調に推移しています。こうしたことから判断すると、米国経済は緩やかながらも拡大基調を維持していると考えられます。

■また、インフレが低い水準で安定しているため、利上げは見込まれますが、緩やかなペースとなる見通しです。従って国債利回りは落ち着いた推移が予想されます。国債よりも利回りの高い社債への資金流入は継続する見通しです。

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