米国の金融政策(2016年4月)
利上げペースが緩やかなものになることを再確認 【デイリー】
2016年4月28日
【ポイント1】政策金利を据え置き

景気は緩やかな拡大、物価は安定
■4月27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場の予想通り政策金利(FFレート)の誘導レンジを0.25%~0.50%で据え置くことを決定しました。
■声明文では、家計の支出の伸びは緩やかなものとなり、景気拡大のペースは鈍化したとされています。前回に比べ評価はやや後退しましたが、家計支出の土台となる労働市場については、さらなる改善を見せたと前向きな判断を下しています。
■一方、インフレは、前回と同様、原油価格の値下がりなどもあり、目標値である+2%を下回った状態が続いているとしました。
【ポイント2】リスク評価は改善

世界経済・金融市場の動向を注視
■経済の見通しについては、引き続き「緩やかな拡大を持続」するとしました。
■前回の声明文では、経済見通しに対するリスクとして「世界経済および金融市場の混乱」が挙げられていましたが、今回はこれを削除し、代わって「インフレ指標および世界経済・金融の動向を引き続き注意深く観察」していくとしました。
【今後の展開】緩やかな利上げ見通し
■今回の声明文は、前回に比べ景気判断でやや後退、リスク判断で前進、総合すると前回と同様にハト派色の濃い内容だったと評価できます。声明文公表後、米国株は上昇、国債利回りは低下しました。
■今後も低インフレ下での緩やかな景気拡大が続く見通しであり、利上げのペースは緩慢なものになると予想されます。株式、債券の双方にとって良好な環境が、しばらく続くと見込まれます。