米国の雇用統計(2016年3月)雇用は安定した増加基調を維持【デイリー】
2016年4月4日
【ポイント1】雇用者数は21.5万人増

サービス業が雇用増をけん引
■2016年3月の非農業部門雇用者数は前月比+21.5万人の増加となり、市場予想(ブルームバーグ集計)の同+20.5万人増を上回りました。雇用の増加ペースは、3カ月移動平均で+20.9万人と、+20万人超の水準を維持しています。
■民間部門の雇用者数は、前月に比べ+19.5万人ほど増加しました。業種別では、製造業が前月に続き減少となったものの、サービス業と建設業の雇用が拡大しました。
【ポイント2】失業率は5.0%

賃金上昇率は前年比+2.3%
■失業率は前月の4.9%から5.0%に上昇しました。労働需要(就業者数)は増加しましたが、それを上回るペースで労働供給(労働力人口)が増えたことによるものです。背景には、景気の拡大とともに求職活動を再開する失職者が増えてきたことがあります。労働市場の悪化を示すものではありません。
■賃金上昇率は前月比+0.3%、前年同月比+2.3%となりました。前年同月比の伸び率は頭打ちの気配を見せていますが、労働需給が改善を続けていることを踏まえると、賃金上昇率は今後、底堅く推移すると考えられます。
【今後の展開】利上げ継続だが、そのペースは緩やかなものとなる見込み
■5%前後の失業率は、米国経済が完全雇用の状態にあることを示唆するものです。これを背景に2016年も利上げは継続される見通しです。
■もっとも、物価や賃金上昇率が比較的低水準にあることから、利上げのペースは緩やかなものとなる見込みです。