メキシコの金融政策(2016年2月) 政策金利据え置き、米国金融政策やペソの動向を注視【デイリー】
2016年2月5日
【ポイント1】3.25%に据え置き
市場予想通りの決定
■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は4日、政策金利(翌日物銀行間レート)を3.25%に据え置くことを発表しました。
■中銀は14年6月以降、政策金利を過去最低水準の3.00%としていましたが、米国の利上げを受け、15年12月の前回会合で引き上げていました。
■その後、中国の景気減速懸念などから世界的に株価が下落、米国の追加利上げ観測が後退していたことなどから、ブルームバーグのエコノミスト調査では全員が今回の政策金利の据え置きを予想していました。

【ポイント2】通貨安を警戒
米国の金融政策に追随の見込み
■中銀は、消費が堅調な一方、米国景気の減速を受けて製品輸出が引き続き低迷していることなどを指摘し、景気の下振れリスクが幾分強まったとしました。
■一方、物価については、ペソ安により短期的に上振れリスクがあるものの、景気拡大ペースが緩慢なことなどから、今年から来年にかけて概ね年3%程度の落ち着いた推移が続くとの見方を示しました。
■中銀は、景気への配慮から現行の低水準の政策金利を維持しながら、米国が追加利上げする場合には、ペソ安圧力を抑えるため追随すると予想されます。

【今後の展開】メキシコペソは、原油安から下振れしやすいものの、中銀が下支え
■メキシコは、世界有数の産油国であり、政府歳入の約3分の1が石油関連となっています。原油安が続く場合、ペソは下振れしやすい展開が続くと思われます。
■中銀は、ペソが大きく下落した場合にペソ買い介入を実施する制度について、1月末までの期限を3月末まで延長しました。中銀の通貨安抑制姿勢は、今後もペソを下支えする見込みです。