ISM指数の50割れを示唆する地区連銀製造業指数【デイリー】
2015年10月19日
【ポイント1】低迷する地区連銀指数
需要関連の指標が低下
■フィラデルフィアおよびニューヨーク(NY)連銀が公表している10月の製造業指数は、好不況の分岐点であるゼロを下回り、▲4.5、▲11.4となりました。
■9月の▲6.0、▲14.7からは改善しましたが、内容は厳しく、需要の動向を示す新規受注、出荷指数のほか雇用関連の指数がマイナスとなりました。
■実際、ISM指数と同じ算出方式で両連銀の総合指数を計算すると、フィラデルフィアは9月の53.4から46.2、NYは同じく44.8から44.0に低下、ともに好不況の分岐点である50を下回りました。

【ポイント2】ISM指数50割れの公算
輸出の停滞が原因と考えられる
■フィラデルフィア、NY連銀指数は、米国北東部の製造業の業況を示すものですが、全米の状況を表すISM製造業指数とも高い相関関係を有しています。
■そこで、ISM方式で計算した連銀指数から10月のISM製造業指数を推計すると48.8となりました。2012年11月以来の50割れを示唆するものです。
■個人消費が堅調に推移していることを踏まえると、中国をはじめとする海外景気の鈍化と、それによる輸出の停滞が原因と考えられます。

【今後の展開】景気後退の可能性は低い
■製造業が厳格な在庫管理を行っていることから見て、仮にISM製造業景況感指数が50を割り込んだとしても、一時的なものにとどまり、景気後退に陥る公算は小さいと考えられます。
